| 平成22年2月24日 予算特別委員会 | ||
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第304回定例兵庫県議会一般質問に対する質問・答弁記録 質問日 平成22年2月24日 議員名 森脇 保仁 議員 自由民主党議員団の森脇保仁でございます。 自民党には「不満」、民主党には「不安」と言われた総選挙。自民党の大敗の原因は、色々ありますが、長く与党でいた組織の問題と国民の声に機敏に応えてこなかったことが主な反省点ではないかと思います。 党再生に向けて、「歩く、聞く、応える」をスローガンに全国行脚を続ける谷垣禎一総裁を先頭に「品格と活力あふれる日本」を目指してまいりますので、県民各位のご支援をよろしくお願い申し上げます。 それにしましても、現政権の「不安」が現実のものとなってきています。経済、財政、外交、安全保障のいずれを取りましても行き詰まりつつあります。 子ども手当も子育て支援か経済政策かもわからず、恒久的な財源もなく、やはり“政権交代”の4文字のためであったかと国民の落胆の声が聞かれる昨今であります。 また、国のあり方を左右する国論を2分するような永住外国人参政権や選択的夫婦別姓などの法案をマニフェストから隠し、国民的議論はおろか、国会での議論も十分されるか疑わしく、とにかく法案を通そうという政権の政治姿勢、さらに地方や団体の陳情と引き換えに圧力をかけるなど、党を内閣の上に置く政治体制を断じて認めるわけにはいきません。 元気で安全安心なひょうごをつくるためにも井戸知事には、ブレずに国に物申す姿勢をしっかり貫いていただきたいと思うのであります。 我が自民党議員団もしっかりと県民の声を代弁していくことで再生を果たしていきたいと考えます。それでは5項目に亘り順次質問をいたします。 1 大阪国際空港の活性化について 平成22年度の政府予算案においては、関西国際空港株式会社への来年度の補給金支給の前提として、関空会社の経営基盤を安定させる抜本策を国土交通省に求めており、国土交通省の成長戦略会議において、本年6月を目途にとりまとめようと、現在、関西3空港を含む航空分野の方向性等についての議論が進められています。これに関連して、大阪府知事が伊丹空港を将来的には廃港すべきだと繰り返し主張されております。先日、橋下知事の廃港論を直接聞く機会があったのですが、橋下知事は、「伊丹存続派は目先のことしか考えず次の世代のことを考えていない。地域のエゴで関西全体のことを考えていない。」と決めつけ、伊丹廃港をカードに関空問題を解決するという主張は、関西の航空需要や利用者ニーズへの対応よりも関空エゴを優先したレトリック、との印象を持ちました。 一方、井戸知事は、3空港を一つの空港群として最大限に活用することにより関西全体の航空需要を最大化する3空港の一元管理により、3空港をより活性化させ、関西の浮揚につなげていくべきだとの主張を展開され、12月14日の関西3空港懇談会では3空港の一元管理をめざすことで合意されました。しかし、将来の伊丹空港の廃港の是非をめぐっては、それぞれの主体で意見が対立したままとなっています。 私は一兆一千億円の有利子負債を抱える関空の経営改善のために、利便性が高く利用者が年間1500万人以上あり、年間約50億円もの利益をあげている伊丹空港が廃港されることがあってはならないと思います。 また、伊丹の国内線基幹空港の機能を関空に移そうとしても、これまでの実績からも明らかなように利便性を重視する航空利用者の顧客離れは必至で、関西の航空需要を低下させるだけであります。さらに、阪神淡路大震災の教訓から、あってはならないことですが、万一東南海・南海地震が発生した際には、海上空港は液状化や津波で使用不能になる可能性も考えられ、陸上の耐震性を備えた空港が必要です。さらに、伊丹廃港は、経済や観光交流面で関西の将来の発展を著しく制約すると危惧されます。 これまで本県議会では、昨年10月30日、3空港の5本の滑走路を有効活用し、関西の浮揚につなげるべきという立場から、大阪国際空港の活性化に向け取り組む「大阪国際空港周辺地域活性化議員連盟」を超党派で設立しました。また、「関西3空港の総合的な機能充実を求める意見書」が12月定例県議会で採択され、伊丹空港の存続と関西3空港の活用を求める兵庫県民の総意が示されたのであります。私達議員連盟では、その国土交通大臣宛の意見書を航空局長はじめ航空局幹部に手渡し、趣旨を説明するとともに、兵庫、大阪選出の多くの地元国会議員にも面談し賛同を得ることが出来ました。 また私達の動きに影響されて、豊中、池田など伊丹空港周辺の大阪府議会議員9名が過日、伊丹空港の存続と関空の活性化をめざす「大阪国際空港のあり方を考える会」を立ち上げ、1月30日には、そのメンバーと本県の議連との懇談を実現しました。 さらに、来る3月5日には伊丹市内で、井戸知事にもご出席いただき、『大阪国際空港の活性化を考える集い』が開催される予定であります。皆様にもご参加を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ただやみくもに空港の存続を叫ぶのではなく、このように私達は、県民の皆さんの思いを受け止め、その思いを形にするにはどうすればいいのか、自身で調査研究・議論を重ね、確たる志をもって、国県市町、国会議員、府議会議員と連携するなど精力的な活動を進めているところであります。 ところで、正式に発表されたものではありませんが、先日、国土交通省の成長戦略会議の航空分野に関する中間整理素案要旨が一部報道されていました。 その中で、関空は、巨額負債の大幅減少策と強みを活かす方策を検討する。伊丹は、都市近接型空港として役割を明確化しつつ、主要アジア都市への国際便の復活、小型機による多頻度運航を中心とするフル活用とする方針が示されました。 さらに、前原大臣も会見で「伊丹は主要な空港で人気も高く、当面維持していきたい」と述べています。こうした動きは概ね評価できる内容だと、私個人として思っております。 ただ、その実現のためにも、伊丹空港の運用等についての再検討が必要であります。 即ち、昨今のジェット機の小型化、低騒音化の状況から見て、伊丹に設定されているジェット機枠を含む発着回数の制限見直しと運用時間の延長等を模索することも、一定の合理性があるものと考えます。 一方、3空港懇談会におきまして現在、一元管理の具体的内容をまさしく議論されているところだと思いますが、 “運営主体が関空会社となった場合に、関空の我田引水とならないか” “現在、伊丹に設定されている発着枠等の規制を外して、運営主体が自由に航空会社に路線誘致活動ができるようになるのか” “将来、伊丹に施設整備、大規模修繕の必要が生じた場合にどこが負担するのか” など関心と期待を持って、見守っているところであります。 そこで、航空政策に幅広い見識をお持ちの井戸知事にお尋ねします。 一元管理によって目指す3空港の姿をどのように考えておられるのか、一元管理は3空港問題の「抜本的解決にはならない」との前原国交相の発言もあり、3空港それぞれの地元が同床異夢のなか、一元管理にもリスクがあると思うのですが所見をお尋ね致します。 また、成長戦略会議に関する報道でも掲げられているような、近距離国際便の運航や小型機による多頻度運航の実施など大阪国際空港の活用拡大や機能強化についても所見をお尋ねいたします。 (知事答弁) 3,000m級の滑走路と1,800m余の滑走路を持つ大阪国際空港は、羽田に並ぶ日本の二大空港として、戦後復興を支えてきました。関空の整備に伴い、国内長距離便や国際チャーター便が運用制限された今でも、年間発着13万回、利用者は1,500万人を超え、非常に利便性の高い空港として使われています。 しかし、無理に大阪国際空港から関空に移された長距離国内路線が、相次いで運航廃止、減便となっており、3空港全体の利用者は減少を続けています。このことからも、利用者本位の路線設定となっていないためだ、こう言えると思います。 この大阪国際空港をはじめ3空港を活性化させるためには、まずは、関空について株式会社方式で整備された国の責任において関空の高コスト構造を改革し、韓国仁川の3倍以上もする着陸料の低減を図ることが不可欠であります。あわせて、旅客本位の空港運営に向けて3空港の最適活用を図るため、3空港5本の滑走路を一つの空港群として運用する一元管理が必要と考えます。 関空は低減した着陸料のもと国際路線網を充実する。神戸は運用時間延長や発着枠拡大により大阪国際空港と国内、国外乗り継ぎなど機能分担し、国内外に路線を拡充する。大阪国際空港は、国内長距離便の運用制限を撤廃し、利用者目線に立った路線を展開するとともに、地元要望の強い国際チャーター便や旺盛な交流が期待できる東アジアとの近距離国際便を運航し、また、ハブ化する羽田との連携などにより、一層の活用を図る。これが基本方向ではないかと考えています。 一元管理の姿としては、設置者が引き続き財産管理を行うなか、一元管理機関が空港施設を借用し、着陸料の徴収を含めた空港運営を自ら行うことにより、それぞれの空港の利害にとらわれず、関西にとって航空需要を最大化する航空ネットワークの構築が図られる。その際、公的機関が関与することにより、3空港の路線配置などに対し、より中立性、公共性を確保するよう、配慮する必要があります。なお、前原大臣の「一元管理は抜本的解決にはならない」との発言は、関空会社の抜本的な財務改善が不可欠だとの認識を示唆されたものではないかと考えています。 大阪国際空港は、関西の浮揚に欠かせない貴重な社会資本であります。地元市町とも連携しながら、一層の活性化と機能強化に向け積極的に取り組んで参ります。 2 消費者行政の推進について 安全で安心できる暮らしは、私たち県民にとっての一番の願いです。 しかし、未だ解明されていない中国製冷凍ギョウザへの毒物混入事件や非食用事故米の不正流通、相次ぐ産地偽装問題など食を巡る問題が続発しております。また一方で、リフォーム詐欺など高齢者等を狙った悪質商法など消費者トラブルも複雑・巧妙化しており、県民のくらしの安全安心を確保することは喫緊の課題となっています。 これらの状況から国では、消費者行政を一元的に担う組織として、昨年9月に消費者庁が発足しました。県では、国に先んじて知事を本部長とする全庁的な推進体制として、兵庫県消費者行政推進本部を設置されました。また、消費生活の様々な相談を受ける消費者行政と食の安全安心の生活衛生行政を一体的に取り組むため、新たに生活消費局を設置し、安全で安心できる暮らしを守る県政を推進されています。 さて、国は地方の消費者行政活性化のため、平成23年度末までを集中育成・強化期間と位置づけています。そのため、230億円の交付金を配分して都道府県に基金を造成し、消費者行政活性化に向けた地方公共団体の取り組みを支援しています。県ではこれを受けて総額で約13億7千万円の基金造成を行なうと伺っております。 県ではこの基金を活用し、消費者行政を一層推進するための施策として、消費者、事業者、行政の信頼と協働による消費生活の推進を基本方針として 多くの取り組みをされようとしています。 私はなかでも最も重要な課題は、どこに住んでいても身近に相談できる体制の整備、すなわち全市町における消費生活相談体制の整備であると思います。 県内における消費生活センターの設置状況は、平成21年4月の時点では、神戸・阪神間・姫路など13市の都市部を中心に設置されていると伺っておりますが、県内全市町の消費生活相談体制の整備に向けて、地域の実情にも配慮した県からのきめ細やかな支援が必要と思います。また、既に設置されている消費生活センターの相談員のレベルアップや機能アップも必要であります。 そこで、県民が安心して気軽に消費生活相談が行える体制の整備に向けた県の考え方と今後どのように取り組まれるのかお伺いいたします。 (清原理事答弁) 消費生活相談につきましては、まず、住民に身近な市町で対応し、県は専門的、あるいは広域的な相談に対し市町を支援するという役割分担の考え方のもと、県では、市町における相談体制の充実・強化を最重要課題の1つと位置づけ、平成23年度までに、全市町に消費生活センターが設置されることを目指しています。 消費生活センターの設置に際しましては、県民の幅広い消費生活相談に直接対応する相談員の確保が喫緊の課題です。このため県では、今年度から、「ひょうご消費生活相談プロフェッショナル塾」、研修期間が50日コースと70日コースと高度なものを開講し、相談員としての専門的知識と実務能力の習得への支援を行っており、平成22年4月時点においては、13であった消費生活センター設置市町が、29市町となります。来年度はプロ塾に養成コース修了者に対するスキルアップコースを設け、新任相談員のフォローアップに努めますとともに、既設の相談員に対しても、最新の被害事例に基づいた、レベルアップ研修を実施するなど、相談員全体の資質向上に取り組んでいきます。 また、県と県弁護士会との協定による「ひょうご安心サポートシステム」の活用や但馬地域では但馬生活科学センターで市町相談員が定期的に一緒に相談を受けながら力をつけるための共同の仕組みを創設するなど、生活科学センターによる市町相談員への支援を強化し、県と市町が協働して消費生活相談体制の機能充実に努め、暮らしの安全・安心のために、積極的に取り組んでいきます。 3 国と地域を守る農業農村基盤整備について 国の「政治主導」「コンクリートから人へ」という方針の下で策定された来年度政府予算案は、公共事業関係予算、特に農業農村整備事業は、対前年度比36.9%と大幅な削減をされています。その振り替えとして地域の自主性で幅広い事業を実施できる、農山漁村地域整備交付金が創設されたものの、森林、水産も一体となった制度であることから「農業農村整備事業にどれだけ活用できるか詳細が解らない」と困惑の声も聞かれます。 そもそも公共事業の大幅削減の根拠は明らかでなく、マニフェストで約束した新規施策の財源の帳尻合わせのため、公共事業を悪者に仕立てて切り込んだということではないかとさえ思えるのであります。 「政治主導」や「コンクリートから人へ」というワンフレーズによって事業の必要性についての議論が封じ込められたり、政治的に反対の立場の団体が関わっている事業の予算をカットしてしまったと思われる現政権の予算編成のやり方には、民主主義の観点から強く見直しを求めるものであります。 また、事業費の削減による本県の農業、農村の振興に与えるダメージははかり知れません。即ち、農業農村整備事業は、圃場整備をはじめ、用排水路整備等、地域農業の振興に欠かせない生産基盤の整備などを行っており、特に老朽化したため池や井堰等の改修整備は、地域の安全安心を守るために不可欠で、決してなおざりに出来ません。 また圃場整備については、県内での整備が進んできたといっても中山間地の中でも急傾斜地など耕作条件の不利な地域が残っており、かといってこのまま放置すると高齢化により耕作放棄地が増加しかねません。さらに集落営農では、効率的な農業のみならず、将来に向けた地域づくりをはかることが可能となるため、集落内での話し合いや勉強会を重ね基盤整備の実施に向け取り組まれている地域、これから整備が求められている地域がまだまだあります。 したがいまして、地域の農業、農村を存続し、活力を取り戻すため、地域住民が主体となったこのような取組への努力に対して、県も継続的に支援して頂きたいと思うのであります。 つきましては、国の予算が大幅に削減される中で、県として今後どのように農業農村基盤整備に取り組むのかお伺いいたします。 (知事答弁) 農業農村整備事業は、生産性を向上する基盤整備や生活環境を改善する事業を行っています。ほ場整備では平成27年度の整備目標を90%達成し、農業集落排水施設は全て供用開始しています。 今後は、残された未整備農地のほ場整備を推進するとともに、災害の未然防止に向けたため池改修、耐用年数を迎える多くの井堰、水路等の更新が必要となります。 そのような中、ご指摘のように政府予算案は、農業農村整備が前年度比37%となり、一方、農山漁村地域整備交付金が創設されたものの、大幅な予算削減が行われ、厳しい状況にあります。 このため、事業実施に当たっては、国の補助金や新交付金を最大限に活用し、新行革プランに掲げる「つくる」から、「まもる」、「つかう」を基本に、防災上重要なため池の改修、農業用施設の機能診断による予防保全と適時適切な更新を行い、併せて、低コスト工法の採用や実施地区の進度調整による新規採択枠の確保を、今後、図って参ります。 今後も、国に対して必要な予算措置を求めるとともに、限られた予算を有効に活用し、基盤整備を着実に推進することにより、農業の担い手育成と農業生産の向上を促進して参る決意です。 4 全国学力・学習状況調査の抽出化について 学習内容の3割削減、授業時数のさらなる削減というゆとり教育が本格的に導入された平成14年度小・中学校の学習指導要領の実施により懸念されていた学力低下傾向が、平成15年のPISA(OECDによる国際学習到達度調査)により鮮明になり、この危機感を背景に全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)が43年ぶりに平成19年度より行われてきました。 兵庫県での結果を見ますと、国語、算数、数学において知識・活用共に中位程度で決して満足できるレベルではないものの、結果の分析とそれに基づく学力向上対策が実施されています。 しかし、この学力調査につきまして、せっかく3年続いて、どうやら軌道に乗ってきたかというところだったのが、新政権では、現在年間約60億円をかけて実施している形を見直し、新年度から一定規模のサンプルを採る抽出方式に切り替えることとなりました。 国は、全国的な状況を調べるには抽出方式で十分との認識のようですが、私は、以前より市町教委別・学校別に結果を公表すべしとの考えで、今回、抽出方式となることで、市町・学校単位で学力・学習状況を継続的に把握・分析・検証し、その結果を活用した学校改善につなげることが不可能になります。 また来年度は、3年前に小6で全国学力テストを受けた児童が初めて中3として受ける巡り合わせになっており、過去の結果と対比してわかることも多いと期待していたのにそれも叶わず、抽出方式では個々の児童生徒へのきめ細かな指導を行い、さらに自身が学ぶ意欲を高める動機付けとすることができなくなってしまいます。 抽出の対象外でも希望する学校は問題の提供を受けられるわけですが、採点や集計は「自らの責任と費用負担で」行われねばならなくなります。 これでは国の支出は減らせても学力向上のために教育現場にもたらす効果は大きく減退するものと思います。新政権に学校、国民が振り回されるばかりで残念でなりません。 そこで、県教育委員会は、この3年間の全国学力テストの成果をどのように総括しているのか、また抽出方式となることで、それらの総括を生かし来年度の教育施策にどのように取り組むのかお伺いいたします。 (教育長答弁) これまでの3年間の全国学力・学習状況調査は、一つには全国的な比較に基づきます児童生徒の学力の定着状況、また、二つには、学習習慣や読書習慣など学力の定着に影響を与える要因、また、三点目には、反復学習や知識・技能を活用する学習活動における効果的な指導の在り方等が明らかになるなど、教育施策や指導の改善を進める上で有効であったとこのように考えています。 平成22年度の抽出調査では、国からは全国及び県全体のデータが提供されるため、引き続き県に学力向上実践推進委員会を設置し、3年間のデータの蓄積をもとに、経年比較など全県的な課題分析を行い、学力向上施策の検証・改善をさらに進めてまいりたいと思います。 一方、この調査が抽出調査となることで、市町、特に学校単位の学力・学習状況の把握・分析が困難なところもあることから、県としましては、抽出対象以外の学校にも提供されます問題・解答を分析するためのマニュアル等の作成・提供を行うとともに、市町におけます分析結果等の情報収集に努め、課題に応じてスーパーティーチャーを派遣するなど、効果的に学校や市町の取組を支援してまいります。 国におきましては、調査対象教科の追加等、平成23年度以降の学力調査のあり方について、今後検討を行うこととしておりますので、このような動向を踏まえて、国の調査問題の有効活用や県独自の学力調査の必要性についても検討してまいりたいと思います。 今後とも、未来を切り拓く子ども達の「生きる力」を育むため、全国学力・学習状況調査の成果を生かしつつ、ひょうご学力向上プロジェクトの推進や兵庫型教科担任制の拡充など総合的な学力向上施策を着実に進めてまいりたいと思います。 5 永住外国人地方参政権の付与について 今通常国会において、永住外国人に地方参政権を与える法案が提出されるという報道があります。 しかしながら、永住外国人に地方参政権を与えることは民主主義の根幹に関わり、国のあり方に関わる重要な案件であり、国民の十分な議論がないまま、地方の意見が反映されずに法案が提出されることは、絶対にあってはならないと考えます。 また、平成7年2月28日、最高裁は、参政権を日本国民固有の権利であり、権利の保障は在留外国人には及ばないと判決を下しています。その時の判決文の本論部分を引用したいと思います。即ち 憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。そして、地方自治について定める(中略)憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。 としています。 この判決からすれば、日本国民ではない永住外国人に対し、地方参政権を付与することは、憲法違反になると言わざるを得ません。 ただ、判例としての拘束力を持たない傍論部分の中で、在留外国人に地方参政権を与えるかどうかは、最終的に国の立法政策で判断する問題であると付記したために、これが参政権を求める論拠に使われているのであります。 これは、憲法違反となる本論部分に続いて、判例としての拘束力を持たない傍論部分とはいえ、立法が可能というのは、重大な錯誤であるという指摘もあります。したがって、永住外国人への地方参政権の付与が、憲法違反になるという判決の趣旨がゆるぐことはありません。 ちなみに、法案推進派の理論的支柱とされていた長尾一紘(中央大学)教授は、在日外国人が母国で国政・地方参政権を行使できるようになるなど状況の変化により、地方議会選挙に限り外国人に選挙権を認める部分的許容説から全面的禁止説に自説を転換したのであります。 ただ、「解釈上は許容説でも、政策的に導入には反対という立場だった」と断った上で、「政治思想史からすれば、選挙で問題になるのは国家に対する忠誠としての愛国心だが、外国人にはこれがない。日本国憲法第15条1項は参政権を国民固有の権利としており、この点でも違憲だ。国家の解体に向かうような最大限に危険な法律だ。」と断言されています。 さらに、この判決に加わった園部逸夫元最高裁判事は、傍論部分について「主観的な批評に過ぎず、判例の評価という点では、法の世界から離れた俗論である」と現在では批判しています。また、園部氏は傍論部分に「政治的配慮があった」ことを認めており、厳正中立を求める判例の信頼性が損なわれたことにより、外国人への参政権付与の法的根拠が崩れたと一部の新聞は論じています。 また私は、平和を毀損し、内政干渉を合法化する法案と言っても過言ではない、と思っています。 もとより、永住外国人との共生は、今日の国際化した社会においては当然であります。しかし、そのことと、日本の国益を踏まえることのない、あるいは母国に忠誠や国防の義務を持つ永住外国人に「我が国の統治機構の不可欠の要素を成す」地方の参政権を付与することとは全く次元の異なる話であります。 いうまでもなく、われわれ国民は、日本の領土や国民、そして主権が国家によって守られることによって初めて日々安心して生活を営み発展することができるのであります。よって、我が国の主権や国益を損ないかねない永住外国人への地方参政権の付与は断じて容認することはできません。 世界をみても、EUなど特殊な事情をかかえ、域内で相互に認め合っている場合を除いて、外国人に地方参政権を与えている国はほとんどありません。当たり前のことだからであります。 また最近は、地方でも国民保護法に基づく有事の際の対応や、基地問題、原発の立地、離島をはじめ領土の保全など、安全保障面を中心に国益に及ぶ事例は多く、先月の名護市長選のように地方選挙の争点となることもまれではなくなってきています。 数票差で当落が決まることもある市町議会議員選挙では、外国人が多く住む地域や組織的な移住によっては、外国人票が多大な影響を及ぼし、あたかも外国からの干渉を容易に受けるような事態になると危惧されます。 ところで、去る1月21日、全国都道府県議会議長会は、「永住外国人への地方参政権付与の法制化議論に対する特別決議」を行いました。「民主主義の根幹に係る問題」「地方自治のあり方に重大な影響を及ぼす問題」とし、国会での拙速な法案提出や審議をいましめております。さらに「今後、具体的な議論を始める場合には、国民の幅広い議論を喚起しつつ、地方の意見を十分聞く」ことを強く求めています。 また、首都圏の多くの知事も相次いで「永住外国人地方参政権の付与への反対や一方的に国会が決めていいのか」とそのプロセスに疑義を表明しています。 そこで、井戸知事は永住外国人地方参政権の付与について、また、地方参政権でありながら地方の意見を十分聞くことなく拙速に国会へ法案提出されようとしていることについて、どのようなご所見かお尋ねいたします。 以上で質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。 (知事答弁) 永住外国人への地方参政権の付与についてのお尋ねがありました。 永住外国人の地方参政権をめぐる議論は、平成7年2月28日の最高裁判決において、判決本論ではなく、単なる参考意見にすぎない「傍論」において、「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」とし、「専ら国の立法政策にかかわる事柄」としたことに端を発しています。議員ご指摘のとおり、あくまでも「傍論」とは先例として後の判決を拘束しないものであります。 永住外国人への地方参政権については、特別な形態で日本に定住せざるを得なかった方々への配慮の課題や国際法上の基本原則としての相互主義を踏まえる必要性なども課題としてありますが、国民主権原理のもとにおける国と地方を通じた統治体系全般にわたる事項として判断されるべき事柄であります。 憲法においても、公務員を選定罷免する権利は憲法の国民主権の原理に基づき「国民」とされ、その15条第1項において「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定されています。この「国民」は国籍を有する者であるとされております。一方、第93条第2項は、地方公共団体の長、その議会の議員等の公務員は、その地方公共団体の住民が直接選挙すると規定されています。当然この「住民」は日本国民たる住民と解釈されているのであります。 また、民主主義の根幹にかかわる問題であります。主権者たる国民の幅広い議論を前提に慎重に以上のような観点からも検討する必要があるという見地からみれば、未だ十分な議論が尽くされているとはいえないのではないかと考えております。全国都道府県議長会も同趣旨の特別決議がされたところであります。 この問題に限らず、国が行う政策により地方に大きな影響を与えることが予想される場合は、国と地方の協議の場において議論し、地方意見を適切に反映すべきことをかねてから主張してきております。協議が行われるべき課題であると考えます。 | ||