| 平成21年3月4日 予算特別委員会 |
| 平成21年3月4日 財政の状況について ○森脇委員 自由民主党の森脇保仁である。 私からは一応3問用意していたが、3番目の徴収事務の効率化については、石井委員の同様の質問があり、県と市の徴収事務の共同化ということで詳しい説明があったので、検討されているということであるので割愛する。 まず初めに、県民局等の再編についてある。 かつて我が県においては、平成12年度までは6県民局体制であり、平成13年度から現在の10県民局体制へ移行し、部長や参事など多数の管理職を置いた。 当時、既に平成11年度に行革がスタートしていたが、ある市の幹部からは、10県民局体制への移行は行革に逆行するもので理解ができないというような声も聞いたことがある。このたびの新行革プランの中で、組織の再編、とりわけ県民局の再編は最大の目玉になるものと期待していた。県と市町の適切な役割分担のもと、二重行政を廃し、スリムな行政とすることは、行財政構造改革の中でもかなめとなるものであることに異論はないと思う。 しかしながら、最終的にまとまった新行革プランでは、5県民局1県民センターに再編するという一次案に対し、市町などの反対の声が強く、結局、従来どおりの10県民局体制を当面存続させることになった。県と市町との役割分担や、新しい県と市町との関係を構築するといった議論よりも、とにかく反対で十分理解されなかった結果であり、現時点では10県民局を存続させることもやむを得ないと考えている。 我が自由民主党議員団は、新行革プランをまとめるに当たり、次のようなことを当局に求めた。 すなわち一つには、現在の県民局体制が、地域における多様な県民ニーズや地域課題に的確に対応しているかの検証。二つには、現地解決型の総合事務所の機能を十分に果たしてきたかどうかの検証。三つには、政令指定都市や三つの中核市と県民局の関係の検証である。さらに、新行革プランの総点検を行う3年後、すなわち平成22年度末を目途に結論を出すよう求めた。その結果、新行革プランにおいては、再編後の県民局等について必要な検証を実施し、見直しを検討することとなった。 しかしながら、常任委員会の調査などで県民局へ行くと、二重行政の解消に向けた議論が県民局内部でなされているとは感じられない。不断の検証がなされなければならないのに、当事者の意識もなく、単に先送りされて、胸をなでおろしているのが現状ではないかというふうに思わざるを得ない。 行革で一番大切なのは、単にカットや廃止をするのではなく、その作業の中で、県と市町の役割分担の議論の上に立って、必要不可欠な事業に集中させていくことであると思う。 また、私は器が大きければ、すなわち多くの職員がいれば県民局の事業はふえ続け、肥大化しているのが今日の県民局の状況であるというふうに思う。 また、知事が幾ら選択と集中と言っても、県民局レベルでは、お互いがもたれ合う村社会で、事務事業を絞り込むような議論は全くされていないのが実情ではないか。本庁の指示がないのか、あるいは待ちの姿勢で事業の取捨選択などに取り組んでいるというふうには感じられないのである。 イギリスの政治学者のパーキンソンは、官庁の部門ごとの定員をそのまま放置しておけば幾らでも拡大する傾向がある。というのは、定員をふやして、1人当たりの労働量を軽減しようとするからであると述べている。この官庁の肥大化の傾向は、パーキンソンの法則と呼ばれている。 そこで、今後、具体的にどのような体制で、どのような理念のもとに検討を進めていくのか、ご所見をお伺いする。 ○牧 企画県民部長 県民局の再編に関する今後の検討についてお答えする。 県民局については、地域課題への総合的な対応、市町や県民とのきめ細かな連携、地域特性を生かした独自の施策展開など、現地解決型の総合行政の成果を継承するため、引き続き、総合事務所として県下10地域に設置することとした。 その際、本局組織については、現行5部体制となっているものを、総務室・県民室の2室に再編するなど、抜本的なスリム化を図った。また、それぞれの地域特性を踏まえ、例えば但馬における観光振興や企業誘致、また東播磨における水辺の地域づくりなど、県民局ごとの課題に対応できる組織体制にも配慮したところである。 今後の検討については、まずは4月からスタートする地方機関の統合再編の効果、あるいは課題を検証した上で、地方分権改革における県から市町への事務の移譲、また西宮市、尼崎市が中核市へ移行する。こういった状況変化も踏まえ、住民に身近な事務は基礎自治体である市町が担い、県は市町間の広域調整、専門的あるいは先導的分野への対応、また市町への行政運営の支援を担うといった基本的な考え方のもとで、県の地方機関が果たすべき役割はどうあるべきか、また、限られた予算、人員のもとで、県民ニーズに的確に対応できる組織体制はどうあるべきか、こういった観点から、県議会はもとより、市町からの意見を十分聞きながら、新行革プランの全体の総点検とあわせて、総合的に検討を進めてまいりたいと考えている。 ○森脇委員 県民局内部でも、やはり議論をしていくということが非常に大事じゃないか。それで本庁と協議していくということが大事じゃないかというふうに思っている。 ちなみに、私は10県民局体制のままでなく、個人的な考え方であるが、5県民局と1支局、2県民センター、その程度がいいんじゃないかというふうに思っている。あえてどこかは申し上げないが。 それから次に、教育事務所についてである。 昨年の新行革プランの二次案に向けて、議員団内でも議論され、その存在意義について多くの意見が出され、我が議員団としては、昨年の行革特別委員会において将来的には教育事務所のあり方を検討すべきとの態度を表明した。 最終的な新行革プランでは、10県民局体制を当面存続させることになったことで、教育事務所についても、神戸は廃止することとしたものの、宝塚、加東、光都は教育振興室として存続することになり、このことは全く論理の飛躍で理解できない結論となった。 例えば阪神であれば、阪神南に管理局を集約して、北の方へ教育推進課であったか、それを持ってくるということで、いわば目くらましのようなものであり、だれが言い出したのか、あるいは団体が言っているのかわからないが、これも全く理解できないことである。これはもう行革の後退と言われても仕方のないことであると考えている。 私は、これだけ通信手段や交通手段が発達している中、地域にそもそも教育事務所を置く必要性は全くないものと考えている。現地解決と言えるものは、荒れる学校へのサポートチームぐらいで、管理部門や教育推進部門は、本庁で十分に対応可能であるというふうに思う。 また、教育推進課の学校訪問回数は極めて少なく、市町の教育委員会には行かれるが、学校へは行けないような雰囲気だということである。これも県の本庁との二重行政であるというふうに、私は常々感じている。 予期せぬ世界同時不況により、税収減や経済・雇用対策により、財政状況がさらに悪化している今、改革の手を緩めず、加速させることが必要だと思う。 危機的な財政状況を打開するためにも、県民局体制の見直しについては1年前倒しして、平成21年度中に結論を出すとか、教育事務所の体制の見直しについても早急に検討を開始すべきであると考えているが、ご所見をお伺いする。 ○松田新行政課長 それでは、ご質問のうち、まず県民局の検討時期の前倒しについてである。 今後の県民局体制の見直しの検討に当たっては、4月に実施させていただく組織改正の状況をまず検証する必要がある。それに加え、権限や財政力に応じた政令市、中核市による主体的な経営の状況や合併後の市町の行財政体制の状況について、十分見きわめる必要があると考えている。 また、分権改革の動向については、国の地方分権改革推進委員会の第1次勧告で、359事務の県から市町への移譲が盛り込まれている。今後答申が予定されている地方税財政制度の見直しを含めた新地方分権一括法の国会提案は、平成22年の通常国会となる見込みである。 加えて、県民局ごとにめざすべき地域像を定めている地域ビジョンについてであるが、目標年次への中間年が経過することから、平成21年度及び22年度に、県民の皆様とともに新たな地域像の構築に向けた検討を行うこととしている。 こういった動向を十分踏まえる観点からも、3年ごとを目途に実施することにしている新行革プラン全体の総点検において、県民局の組織のみならず、県民局が担う事務事業、職員配置などトータルで検討させていただき、県下それぞれの地域にふさわしい効果的、効率的な組織体制の整備に努めさせていただきたいと考えている。 ○藤原教育委員会総務課長 それでは私の方から、教育事務所体制の見直しについてお答えする。 教育事務所については、新行革プランの行革の基本方向にお示ししているとおり、知事部局の見直しにあわせ、市町教育委員会数の減少や所管区域の規模、地域特性等を考慮し、効果的、効率的な事務執行体制を構築する観点から再編するということにしている。 今回のプランにおいては、管理事務については、市町立学校の県費負担教職員の人事・給与事務等の効率化の観点から、6教育事務所に集約し、教育振興事務については、県民局と連携した環境教育や安全教育など、地域ぐるみの教育活動や県民運動の展開等を推進してきたことを踏まえ、引き続き、効果的、効率的な連携を図るため、県民局の所管区域にあわせ、統合後の教育事務所の内部組織として教育振興室を設置することとしたところである。 今後ともこの教育事務所体制については、県民局体制の見直しにあわせて必要な見直しを行っていく。 なお、先ほど森脇委員の方から、学校訪問がもうほとんどできていないという趣旨のご発言があったが、念のため教育事務所からの学校訪問は、市町教育委員会からの要請に基づくもののほか、計画的に訪問をさせていただいている。その延べ回数であるが、およそ9教育事務所全体では延べ1,400回程度行かせていただいている。また、いろんな機会に森脇委員には個別にご説明をさせていただきたいと思うのでよろしくお願いする。 ○森脇委員 教育事務所については、県民局の体制にあわせてというようなことがあったが、別に考えていいんじゃないかというふうに思う。学校訪問も宝塚というか阪神北で、推進課に5人ぐらいいると思うが、150回ぐらいということで、本当に毎日何をしているのかというような疑問も抱かざるを得ないわけである。実情を聞いてみると、なかなか学校へは行きにくいというようなことを聞いている。また仕事をいろいろつくるんではなくて、やっぱりすぱっと本庁に戻して本庁から指導しに行く、緊張感を持ったような市町との関係にしていただきたいというふうに思う。 それから、次に、税収確保対策についてである。 今後も税収の落ち込みが続くことは避けられない状況である。税収の確保を図っていくことは一層重要となる。支払える能力がありながら税金を払わない逃げ得などということは、税収の確保という観点のみならず、公平性の観点からも決して許されるものではない。 もちろん、このような厳しい経済・雇用状況であるから、生活が苦しく、払えない人への配慮は必要であるが、きちんと払える能力のある人からはしっかりと徴収すべきである。 残念ながら、19年度決算によると、本県の徴収率は96.5%と、全国平均の97.2%にわずかに及んではいないが、現在も財産の差し押さえの強化や自動車タイヤロックなど、悪質な滞納者対策を図るとともに、市町に県職員を派遣して、個人県民税の滞納者に対する徴収対策を強化しているところである。 そこで、こうした取り組みが徴収率の向上に結びついているのかお伺いするとともに、滞納の背景をどのように認識し、今後さらなる悪質な滞納者対策をどのように講じていくのか、あわせてお伺いする。 ○西上税務課長 税収確保対策であるが、本県の財政状況は極めて厳しくなっている。歳入の3割を占める県税収入をいかに確保していくかということがますます重要となってきている。 このためには、まず納期内に納めていただく、この取り組みが基本だと思っているので、ポスターであるとか県のホームページなどの広報媒体を活用することはもちろんであるが、自動車税などについては、県下一斉のキャンペーンなども取り組んでいるところである。 しかしながら、滞納となった場合の対応であるが、その場合は早期に納めていただくように文書であるとか電話による催告を行っている。また個別に財産調査を行い、それぞれの支払い能力に応じて、場合によっては分割納付というのも認めているし、一方倒産などで全く財産がないというような場合であれば、財産の管財人に対し配当要求をするなど、個々の状況に応じて的確に対応しているところである。 しかし、ご案内あったように、財産がありながら納税の意思がない、我々も悪質な滞納者という形でしているが、こういう滞納者については、預金やタイヤロックによる自動車の差し押さえ、また捜索による動産の差し押さえなど、年間で約1,900件のこのような強制的な処分を行っているところである。 またこの1月には、軽油引取税を脱税していたバイオディーゼル燃料の製造販売業者に対し、警察とともに強制調査を行うなど取り組んだところである。 このような取り組みの結果、徴収歩合を見ると、平成15年度には全国平均から1.7ポイント下回っていたが、12月末現在の数字であるが、19年度には0.6ポイントに縮まっている。さらに、今年度は逆に0.2ポイント全国平均を上回っている状況にあり、徐々にではあるが改善している状況である。 しかしながら、依然として200億円を超える徴収未済額があることに加え、このような急激な景気悪化に伴い、所得の減少であるとか企業倒産等によって、滞納がさらに増加するというのも懸念しているところである。 いずれにしても、滞納を解消していくというのにはなかなか特効薬はないので、日々地道に取り組んでいくことが、結果として最も効果的だと考えている。21年度以降については、徴収歩合を全国平均を上回るというのを新たな目標と掲げ、県税収入の確保に取り組んでいきたいと思っている。 ○森脇委員 徴税業務は県行政の最前線である。ご苦労も多いと思うが、実績も上がっているようである。市町への指導も含め、多いに頑張っていただきたいということでエールを送りたいと思う。 終わりに、今回の行革初年度より世界不況の荒波にもまれている。3年ごとのフレームの見直しがあるが、さらに不断の、また機動的な形で行革を成功させなければならないと思うので、県当局の一層のご尽力をお願いし、質問を終わる。ありがとうございました。 平成21年3月6日 病院局 ○森脇委員 病院局の質疑のトップとして、私、自由民主党議員団の森脇保仁である。どうかよろしくお願いする。 私からは、4項目、5点について質問をする。 第1項目、公立病院改革プランについて質問する。 全国的に、公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、地域医療の確保のため重要な役割を果たしているところであるが、近年、経営状況の悪化や、医師不足に伴う診療体制の縮小を余儀なくされるなど、極めて厳しい状況に置かれており、抜本的な改革が避けて通れない課題となっている。 このような状況の中で、総務省は、平成19年12月に公立病院改革ガイドラインを策定した。これは、同年6月の「経済財政改革の基本方針2007」において、年内に各自治体に対しガイドラインを示し、経営指標に関する数値目標を設定した改革プランの策定を促すことを求めたことから策定されたものである。 各自治体は、このガイドラインを踏まえ、平成20年度、すなわち今年度内に公立病院改革プランの策定を求められているところである。 本県においても、現在、プランの策定が進んでいるとは思うが、現在どのような状況になっているのか、また、来年度以降、このプランによってどのように本県の県立病院改革が進むと見込んでいるのか、ご所見をお伺いする。 ○黒田病院事業管理者 本県病院事業は、平成15年9月に策定した病院構造改革推進方策、これに基づいて抜本的な改革を今日まで推進してきたが、さらに病院事業全般にわたる総点検の実施を踏まえ、ことしの1月には、その推進方策の改訂版を策定したところである。 この推進方策の改訂版に基づき、病院事業全般に係る具体的な改革を推進することを基本に、その一方で公立病院改革ガイドラインに示された改革の視点を踏まえて、各県立病院の役割、診療機能の充実や、数値目標に基づいた経営改善等々を進めるための中期的な計画を県立病院改革プランとして策定しようとしている。 今日まで、各病院からのヒアリングや、それから有識者等で構成する県立病院改革プラン検討部会、こういったところでの検討を踏まえ、現在、最終的な取りまとめを行っているが、今後、パブリックコメント等の手続なども行い、速やかに策定したいと考えている。 策定後は、このプランの着実な推進によって、県立病院の診療機能の高度化、効率化、さらには病院事業全体での当期純損益の黒字化に向けた経営改善等を行い、県民に対してより良質な医療を効果的、かつ効率的に継続して提供できるよう、病院構造改革の一層の推進を図ってまいる所存である。 ○森脇委員 今回の公立病院改革プランは、経営改善など、改革面が強調された数値を入れたものということで、各病院といろいろ確実に達成できるプランにされようとしているのだと思う。かなり時間もとってやっておられるので、責任のあるプランになるように期待しているところである。 第2項目は、県立病院の果たすべき役割について。さきに述べた総務省の公立病院改革ガイドラインによると、公的医療機関の果たすべき役割は、「地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供すること」とされている。 私は、その中でも、県立病院の役割としては、救急医療、特に救命救急医療への対応が非常に重要であると感じている。特に、救急患者の受入先が見つからず、助かったはずの命が失われるケースも全国で相次いでいる現状を見るとき、今、県立病院に求められているのは、救急の際、必ず受け入れてもらえるという安心感ではないか。 そこで、救急患者の受け入れ体制の整備についてどのように取り組んでいくのか、当局のご所見をお伺いする。 ○青木病院局長 救急医療は、県立病院が果たすべき重要な役割の一つであると認識している。平成15年度には、災害医療センターを開設して、高度救命救急医療を提供するとともに、昨年、平成19年度にはこども病院及び光風病院において、それぞれ救急センターを開設し、小児や精神科の救急医療の提供を行うなど、3次救急医療の充実を行ったところである。 さらに、今後の建てかえ整備にあわせて、救命救急センターが未設置である東播磨圏域においては、加古川医療センターに救命救急センターを、淡路圏域においては淡路病院に地域救命救急センターを設置し、3次救急医療の充実を図るほか、現在検討している尼崎病院と塚口病院の統合再編においても、小児を含めた救急医療の充実を図る方向での検討を進めているところである。その他の病院においても、医師等の確保に努め、救急患者の受け入れの充実を図っているところである。 このような取り組みを通じて、他の医療機関と連携し、地域全体で必要な救急医療確保を図ることにより、県民が救急医療の受け入れに安心感が持てるよう、県立病院としてその役割を果たしてまいりたいと考えているところである。 ○森脇委員 全県的に救命救急の体制が整うと思うので、よろしくお願いする。 第3項目は、経営改善についてである。 2点あるが、まず1点は、地方独立行政法人化についてである。 近年、地方独立行政法人へ移行する都道府県の自治体病院が、少しずつ増加している。大阪府では、平成18年度に既に移行しており、静岡県ではことしの4月から、神奈川県も来年度の4月から、地方独立行政法人への移行が予定されており、準備が進められている。 また、さきに述べた公立病院改革ガイドラインにおいては、「地方公営企業法の全部適用によって、所期の効果が達成されない場合には、地方独立行政法人化など、さらなる経営形態の見直しに向け、直ちに取り組むことが適当である」とされている。 私は、現行の地方公営企業法の全部適用という運営形態では、地方公共団体の組織の一部であることから、財務、組織、人事管理などに制約があり、抜本的な経営改善を図ることは難しいと考えている。 それよりも、地方独立行政法人に移行し、医療環境や経営状況の変化に応じた柔軟で弾力的な病院経営を行う方が、経営改善が進み、経営基盤が安定するとともに、より県民に信頼される県立病院となるのではないか。 例えば、大阪府では、太田知事時代の行財政改革の一環として、府立の五つの病院を独立行政法人化し、法人設立の平成18年度に、人件費の抑制などにより、17億2,000万円の収支改善ができたところである。当局は、これまでも独立行政法人化については、たびたび検討をされてきたことと思う。本県立病院の経営状況は、依然厳しく、繰り入れ前の損益は、平成18年度は153億円の赤、平成19年度144億円の赤と高どまっている。 私は、平成18年度の決算特別委員会においても、独立行政法人化の検討など、経営者として決断を迫られる、そのことのための検討を要望したのである。 そこで、地方独立行政法人への移行について、どのように検討を進めていかれるのか、ご所見をお伺いする。 ○中島企画課長 地方独立行政法人は、地方自治法等の適用を受けないため、運営面においては弾力性が高まるという評価をされているところである。 その一方で、制度的には地方公営企業法の全部適用と類似している部分も多く、法人化に当たっては初期投資が必要になること、あるいは医療政策部門との連携が弱まり、政策医療の遂行に支障を来すことなど懸念される面もある。 また、地方独立行政法人は、制度発足後間もないということもあり、特に都道府県立病院においては、本県のような、いわゆる全部適用からの移行の導入例が極めて少なく、さらには導入後の時期も短いというところから、その効果については、十分な検証ができかねる状況にあると考えている。 そのため、当面は地方公営企業法の全部適用を維持しつつ、病院構造改革推進方策の改訂版、並びにこのたび策定する県立病院改革プランに基づく改革の一層の推進により、経営改善に努めるとともに、他の都道府県の独立行政法人の導入事例の実情を的確に把握しながら、引き続き本県病院事業にふさわしい経営形態のあり方について検討してまいりたいと考えている。 ○森脇委員 それでは、第2点目の未収金対策についてである。 病院の未収金については、全国的に増加傾向にあると聞いている。本県においても、増加する未収金に対応するため、過年度の未収金の一部について、債権回収会社に回収を委託したところである。しかし、経済・雇用環境が極端に悪化している中にあって、今後ますます未収金が増加することもあると思われる。さらに、平成18年度、19年度と過年度未収金が前年度比それぞれ113%、また111%と急増しており、景気等は別にしても、モラルハザードが一部に起こっているのではないかと思われる。 また、発生してしまった未収金の回収とあわせて、未収金の発生防止も重要な課題となる。そこで、過年度分の債権回収委託の評価をお尋ねする。また、今後、未収金の発生防止策とあわせて、どのように未収金の回収の強化を図っていくのか、ご所見をお伺いする。 ○井上経営課長 平成19年度末の県立病院の未収金残高は約2億7,000万円となっている。前年度と比べると減少した病院があるものの、全体としては依然増加傾向が続いており、その解消が重要な課題であると認識している。 未収金対策については、これまでから発生防止対策として、医療費納付後の退院許可、高額療養費等の保険者からの代理受領の促進、また回収対策として、未収金徴収専門員の配置、債権回収会社への委託などを実施してきているところである。 また、全国的な課題であることから、平成20年7月に国で検討会が設けられており、そこでの報告によると、生活困窮を訴える患者への対応や、病院全体の管理体制の強化を図るべきとされており、これまでの取り組みに加え、福祉事務所等と連絡を密にした医療ソーシャルワーカーによるきめ細かな納付相談の実施、病棟や会計窓口など病院内各部門の連絡体制の再確認、連帯保証人への催告など、管理手続の見直しを行うことにより、発生防止対策を強化していきたいと考えている。 加えて、来年度から健康保険から妊産婦に支給される出産一時金であるが、これが直接病院に支給されるようになるため、比較的未収金の多い産科において、未収金の発生が減少するものと期待しているところである。 さらに、支払い能力があるものの、誠意のない滞納者に対しては、患者の状況も踏まえながら、支払い督促などの法的措置も活用する予定であり、このような取り組みの強化により、未収金の発生防止と早期回収に努めていく。 また、債権会社に対する収納委託の成果であるが、これまで1億2,500万円を委託し、この1月末時点でちょうど1,000万円を回収し、回収率は8.1%となったところである。委託前の県立病院の回収率は、分納を含んで6%であったということから、一定の効果が上がっていると考えているが、民間の回収会社でも飛躍的な回収が進んでいるという状況にはない。未収金対策は、その状況に応じてさまざまな手法が必要であり、この委託方式も多様な手段の一つとして位置づけ、今後も継続してやっていきたいと考えている。 ○森脇委員 モラルハザードということであるが、私の地域の病院でも、入院途中で逃げてしまったと。それで、夫婦とも公務員だということで、ひどいなと言っていたが、とにかく困窮者は別にして、悪質な支払わない人が結構いるのである。そういうのを、善良な市民がその人の分を負担せないかんということは、やっぱり非常に問題だと思うので、ぜひ防止対策においても、さらにいろいろ工夫をして研究していただいて、実施していただきたいとお願いしておく。 それから、最後に第4項目である。医師確保対策について。 県立病院の医師確保対策については、県立病院の常勤医師数は増加傾向にあるが、やはり地域偏在や特定診療科での医師不足が課題となっている。 県では、優秀な若手医師の確保対策や女性医師が働きやすい環境の整備など、医師確保に向けた取り組みを進められているところであるが、私は、特に麻酔医の不足が問題であると考えている。近年の医療の高度化で、麻酔医の仕事量は急増し、都市部の中核病院でも、緊急手術ができずに患者の転送を余儀なくされているのが現状である。 そこで、常勤の麻酔医をふやすための努力が不可欠であると考えるが、どのようにして県立病院における常勤の麻酔医を確保していくのか。本年度新設した麻酔医に対する手当の対策もとられているが、それも含めてご所見をお伺いする。 ○太田病院事業副管理者 新医師臨床研修制度の導入を契機として、研修医がみずからの意思で研修病院を自由に選択、または希望することができるようになった。あわせて、大学医局の機能低下ということで、全国的に医師の地域偏在、診療科偏在が起こっている。 特に、ご指摘の麻酔科医の不足は深刻な問題であり、県立病院は現在37名、これは昨年32名であったが、まだ時間外など緊急の手術を行うには決して十分とは言えない状況である。 このために、平成17年度から、麻酔科を初め、確保が困難な診療科を希望する学生を対象とした修学資金貸付制度を創設するとともに、関係の大学に強力な派遣要請、それから広く公募の実施などの取り組みを進めてきた。 また、昨年度は、がんセンターの中に麻酔センターを設置し、麻酔科を志望する県立病院の研修医、専攻医等の若い医師に対して、高度なトレーニングを実施して、麻酔科医の養成という、将来に向けて取り組んでいる。 さらに、委員からご質問にあった、今年度、麻酔業務の特殊性を勘案して、新たに麻酔科医等を対象とした手当を創設した。これにより、大体1人当たり、平均でざっと年間200万円程度の給与上の処遇改善が見込まれると思う。麻酔医の定着に一定の効果があったと認識をしている。今後とも、このようなさまざまな取り組みを通じて、県立病院において必要とする麻酔医の確保、また養成を図ってまいりたいと、さように考えている。 ○森脇委員 医師の確保対策、非常に困難な中でできる手を打っていただいていると思う。 各市町の公立病院においても、市町が医師確保に走り回るというような、懸命の努力をされているわけであるが、県民にとって本当によりどころとなる県立病院になっていただくように、今後の活躍をご期待する。ありがとうございました。 平成21年3月12日 教育委員会 ○森脇委員 自由民主党議員団の森脇保仁である。 3項目について質問をしたいと思う。 まず第1項目は、教頭選考試験における教職員組合の推薦についてである。 去る1月30日付産経新聞によると、西宮市教職員組合の会報「西教組ニュース」が、長年の粘り強い取り組みの成果として、1989年以降、教頭任用者に対する組合推薦の割合を高めてきた。ここ数年は、教頭任用者のほとんどは組合推薦であると、昇任人事への介入を示唆したことから、教頭試験に組合が推薦する慣行が、国において問題化したとのことである。 また、その後の報道では、文部科学省が兵庫県教育委員会に対し、是正に向けての指導を行ったとのことである。さらに、こうした組合推薦は、1974年ごろから行われているとも報道されており、県教育委員会の権限である教頭の任用試験に、仮に市の予備選考段階であれ、組合が介入した結果、教頭の任用者のほとんどが組合推薦であるとするならば、これは兵庫県の教育行政の信用を失墜させる、また大分県の教員採用・昇進における組合との癒着に匹敵する深刻な問題であると考える。 そこで、まず県教育委員会は、文部科学省の指導を受け、どのように西宮市教育委員会に対し、調査や指導を行ったのか、その結果はどうであったのかをお伺いする。 ○溝口教職員課長 西宮市教職員組合が発行した会報について、文科省より、西宮市教委の教頭選考試験に対する教頭推薦の状況、西宮市教職員組合が発行した「西教組ニュース」の事実関係について調査依頼を受けている。 西宮市教委の教頭選考試験に対する教頭推薦の状況調査の結果であるが、西宮市では、各学校長が教頭としてふさわしい者を学校長の判断により教頭受験者として西宮市教委に推薦し、その推薦のあった者に対して、筆答試験及び面接試験を実施して、県教委が実施する教頭採用候補者選考試験に推薦するということで決定している。 また、「西教組ニュース」の事実関係の調査では、西宮市教組は、前年度の12月から1月にかけて、市内の各組合員に西教組作成の教頭推薦用紙を配布し、推薦の多かった者に教頭選考試験を受験するよう働きかけを行っていた。また、推薦者のメモを西宮市教委へ持参してきたが、市教委として全く考慮しない旨を西教組に伝え、すぐに廃棄処分している。なお、各学校長に対する教頭推薦への働きかけについても、なかったと報告を受けている。 今回の調査報告を受けて、県教育委員会としては、西宮市教委に対し、今後、教頭推薦者メモというようなものを受け取らないこと、市教委が行っている教頭選考試験に際し、誤解を招くことになったことについて、西宮市教職員組合に文書で厳重に抗議を行うとともに、釈明と謝罪等を求めることなど、今後、適切な対応を行うよう指示した。さらに、市内の全学校長に対しては、全教員に組合の教頭推薦に参加しないことを周知するよう通知することや、市教育委員会に今回の事案について報告を行うよう指示している。 ○森脇委員 西宮市の弁明というか、非常に苦しい弁明であるが、それは私も見ている。今の県教委の報告では、調査というよりも、問い合わせたという程度のことではないか、そういうふうに思う。新聞では、さらにこの西宮市の教育委員会幹部が、過去の室長も数人がリストを受け取ったと聞いていると、長年続いていた慣行であることは認めたとある。受け取ったけれども、不当なものであるから捨てたというようなことが、これ長年、毎年受け取るけど捨てるということが、普通の常識としては考えられないことではないかと思う。とにかく調査が不十分ではないかと考えるので、さらにこれは非常に大きい問題であるので、しっかりと調査をお願いしたいと思う。 それから、県教育委員会に告発などが来ていないのか、お尋ねする。 教頭試験は、県教育委員会の権限と責任で、厳正かつ公平に行わなければならないと考える。学校長の推薦、また市教委での選考試験も、最終的には県の責任で行われていると思うが、そのように理解してよいのか、あわせてお聞きする。 ○溝口教職員課長 教頭候補者の推薦、校長が行う、あるいは市教委で選考試験を行う、一義的には各校長、各市町教委の責任かと考えているが、最終的な選考結果については、ご指摘のように県教委の責任ということで実施をさせていただいている。 ○森脇委員 先週、3月6日の参議院予算委員会で、塩谷文部科学大臣は、改正教育基本法や道徳教育に反対している日教組のあり方について、違法なストライキや不適切な行動は国民の信頼を著しく欠くことで大変遺憾だとし、組合推薦という昇任人事への介入の疑いの濃い西宮市を例に、教組の違法、不適切な活動の是正について厳正に指導してきた、教組による不適切な行動の根絶に向け対処したいと強調して批判したとされている。 本来、県教育委員会の権限である教職員の昇任人事について、市町レベルであっても教職員組合が深く介入している可能性は極めて高いと考えられる。 また、教育大学院への入学や、海外の各種学校長の任用についても、介入があるのではとの声を以前から耳にしている。 本県は信頼される学校づくりを一つの教育政策としているが、それにも増して教育委員会の信頼性を確立することが不可欠ではないか。 そこで、県教育委員会は、教職員組合と勤務条件等に限って交渉することを厳格にとらえ、教育の基本的な政策や施策、予算や人事に介入させないよう、毅然とした対応をすべきであると思うが、どのようにお考えかお伺いする。 ○溝口教職員課長 職員団体との交渉事項は、地方公務員法の規定によって、「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及びこれに付帯して、社交的または厚生的活動を含む適法な活動に係る事項」と定められており、いわゆる「管理運営事項」については交渉の対象とすることができないという定めとなっている。 県教委では、例年、人事委員会の勧告を受けて、教職員の給与改定を行うに当たり、兵教組などの教職員団体からの交渉の申し入れを受けて、当該給与改定に係る交渉を行っている。 しかし、「予算の編成に関する事項」、「具体的な任命権の行使に関する事項」などの県教委みずからの判断と責任において処理すべき「管理運営事項」については、教職員団体との交渉は一切行っていない。 なお、学校において新たな教育活動・施策を行うために、教職員の十分な理解と取り組みが必要な場合については、教職員等への啓発・周知活動の一環として、教育活動や施策の制定後に教職員団体に対して説明を行い、理解・協力を求めることはある。これは、交渉とは全く性質を異にするものと考えている。 今後とも、ご指摘のように、教職員団体との関係については、地方公務員法に規定されている適法な交渉事項、適法な交渉手続等を遵守して、秩序正しい交渉を確保していきたいと考えている。 ○森脇委員 さて、西宮市教職員組合のニュースにあるように、教頭となったほとんどの教員が組合推薦であるとするならば、校長の多くもまた組合推薦者で占められていくことが考えられる。 そうした場合、市教育委員会が組合の推薦者リストを今後、受け取らないとしても、組合に従順な校長が校長推薦の段階で組合推薦者であった者を推薦していくということが考えられるが、いかにして組合の介入を排除していこうとされるのか、お伺いする。 ○溝口教職員課長 先ほども申し上げたように、西宮市教委に対する調査においては、そういった動きについては一切なかったという報告を受けている。 しかも、校長が、どのような管理職としてふさわしい人物を推薦するか、あるいは市教委でどのように選考するかについては、当然、県民、市民の負託を受けて適切な人物を選考するということは基本と考えており、その各段階において、適正、厳正に人物の選考が行われるということで、ご指摘のことがなくなる、防げると考えている。 ○森脇委員 問題は西宮市だけのことではない。私も宝塚市立中学校の教員から、日教組でなければ教頭に任用されないとの訴えをいただいている。ある教育関係者は、どこの市でも組合の運動方針としてやっている、組合推薦をやっていないのは阪神間では尼崎市ぐらいでしょうと組合推薦が広く行われたと語っている。教育現場をゆがめてきた県教育委員会の責任は大変重いと思う。 これまで30年以上にわたって教頭試験に組合が介入、あるいは影響を与えてきたとすれば、県教育委員会はそのことを知らなかったはずはないのである。実際、推薦リストもずっと上がってきているということである。県教育委員会は、これまで故意に見逃してきたのではないかと思われても仕方がないと考える。県教育委員会にも不作為の責任があるのではないか、教育長の答弁を求める。 ○吉本教育長 西宮市教委が実施をしている教頭試験に際して、組合から推薦者のメモを持参してきた事実については、県教育委員会として、所管教育事務所も含め、承知をしていない。 今回の事案を踏まえ、阪神南・阪神北教育事務所を通じ、同様の事案の存否について調査をしたが、西宮のような組合からの市町教育委員会に対する行為は一切なかったと確認をしている。 また、県下の各市町教育委員会では、県教育委員会に推薦するに当たり、各教育委員会で筆答試験及び面接試験を実施し、厳正に候補者を選考していることを確認しているが、今回の事案を踏まえ、教職員の任用に当たっては、いささかも県民に疑念を与えることのないよう、一層の厳正な運用に努めることを改めて強く指導していく。 ○森脇委員 この西宮市のことについての調査、これは疑念を晴らすに十分な調査ではない。電話で問い合わせてわかる程度のことしか、今、答弁してもらってないわけであるから、ぜひ引き続き、徹底的に調査をしていただきたいと思う。 教育長のおっしゃっている厳正なる指導、これはくれぐれもよろしくお願いする。 それから、要望にとどめておくが、教育公務員の選挙運動、特に教員は学校の児童生徒等に対する教育上の地位を利用して、選挙運動をすることは禁止されている。衆議院議員選挙、知事選挙等を控え、県教育委員会は、現場に対して選挙運動に決してかかわることのないよう、十二分に周知徹底させる必要があると考えるので、お願いしておく。 第2項目、教育基本計画について、NHKのドラマで白洲次郎を3回もので今、やっている。敗戦の中で吉田 茂に請われて、GHQとの交渉で終戦連絡事務局次長として活躍された。三田藩家老を祖父に持ち、神戸一中からケンブリッジ大学へと学んだ白洲次郎である。日本人は戦争に負けたのであって、奴隷になったのではないとマッカーサーに言い放った彼は、マッカーサーに、従順ならざるただ1人の日本人と言わしめたのである。多くの国民が敗戦の中で打ちのめされている占領下において、敢然と日本国を守るために戦った白洲次郎に、私たちは感動を覚えるのである。 さて、日本弱体化のため、国際法に違反してまで押しつけられた日本国憲法とともに、教育基本法もまたアメリカの強い影響のもとに起草され、伝統と文化の尊重がGHQの指示で削除され、日本人の精神的支柱であった教育勅語は強制的に廃止された。 平成18年12月に、約60年ぶりに悲願であった教育基本法が改正され、やっと独立国としての法律を手にすることができたのである。 この改正法の第17条により、国は昨年7月に、教育振興基本計画を策定し、地方自治体も基本的な計画を定めるよう努めなければならないとされている。 県教育委員会では、昨年夏より3回にわたり検討委員会を開き、計画案がまとめられた。この案では、現在、パブリックコメントの手続で、県民の意見、提案を募集されており、その後、来る6月の次回の定例県議会において諮られることになっている。 ところが残念なことに、県教育委員会の計画案は、改正教育基本法の趣旨を十二分に踏まえたものとは言いがたく、戦後教育の問題点や反省の上に立っているのか、むしろ改正法を骨抜きにする意図もあるのではないかとさえ思えるのである。幾ら字句を修正しても、今日までの教育に問題意識がなければ、統一のとれた計画とはならないのである。 多々言いたいことはあるが、ここでの質問は次のとおりである。 理念のタイトルに、「元気兵庫へ こころ豊かな人づくり」を「元気兵庫へ こころたくましく豊かな人づくり」に変えるべきではないか。 質問の趣旨を若干説明させていただく。我が議員団の加茂 忍議員は、戦後教育の最大の失敗は、子供たちに耐えることを教えなかったことと、競争することを悪としたことであると言われているが、それはまさしくそのとおりであると思う。 戦後教育の誤りは、子供に教えるのではなく、寄り添う教育、子供はみずから成長するものであるとして、小学校で人間としての規範を教えるよりも、支援するものであるとしたことである。基礎・基本も十分でない子供に無理に意見を言わせ、それを個性だと満足し、自己主張ばかり強い、薄っぺらな個性を持つ子供を育ててきたのではないか。耐えることを知らないから自己肯定感がなく、すぐ行き詰まってしまう、ひ弱な子供を育ててきたのではないか。 私は、能の言葉にある守・破・離―― 守る・破る・離れると書くが、守・破・離を小・中・高の教育目標に当てはめればよいと思っている。小学校では守、つまり基礎・基本をしっかりと身につけ、道徳教育で人間としての型を教え込む。中学校では破、つまり真理や正義を尊び、自分の存在や他者とのかかわりについて深く考えさせる。高校では離、つまり人生観を持ち、志を高く持つことにより、自己を高めることにより本当の個性が形づくられるというようにである。 そのことによって、現在の教育が解決できてない多くの課題、つまり不登校、人権問題、いじめ、あらゆる学校の問題などはおのずと解決していくのではないかと考えている。 こころ豊かな人づくりとは、何が豊かなのか、人によって解釈は異なり、あいまいさを残しているところであるが、こころたくましく豊かな人づくりというように、たくましさを入れることによって、現在の教育に欠けているものを見直すきっかけとなるのではないかと思っているが、いかがお考えか、お伺いする。 ○伊藤教育次長 白洲次郎のドラマは、私も大変興味深く見させていただいている。 それはさておき、ご質問にお答えをする。 本県においては、人づくりを県政の重点課題に位置づけ、こころ豊かな人づくり県民運動を展開してきたところである。教育委員会においても、こころ豊かな人づくりを基調に本県教育の充実に努めてきた。 本計画の検討委員会においては、委員から計画に兵庫らしさを打ち出すべきとの意見があり、基調においても、これまで掲げてきた本県教育の取り組みをもとに、元気兵庫を実現する原動力は、人づくり、すなわち教育であるという、このような認識に立ち、兵庫の教育の充実強化を図る観点から、「元気兵庫へ こころ豊かな人づくり」としているところであり、この表現が最も兵庫らしさをあらわしているのではないかと考えている次第である。 また、計画の基本理念においては、この基調のもと、これまでの本県教育の取り組みや改正教育基本法の理念、現在の教育をめぐる課題を踏まえながら、本県教育において培うべき力や、本県がめざす人間像を具体的に記述しているところである。 現在、パブリックコメントを実施しているところであり、委員ご指摘の「たくましさ」といったご意見も含め、計画全体にわたっていただいたさまざまなご意見について、第4回検討委員会においてご審議いただき、最終案を取りまとめていきたいと思っている。引き続いてご理解とご支援をよろしくお願いする。 ○森脇委員 私、ややもするとこの計画をつくられた方々、自分たちの教育は正しいんだということで、何か守るような感じで受け取られているような感じがする。しかし、やっぱり本当にいろんな問題、これは解決する道筋がなかなか見えてこない、対症療法ばっかりでずっとそれにかかわっておられるような気がする。やはり改めるべきは改めるという勇気を持って、前に進んでいっていただきたいと思う。 次に、この教育基本計画は、今、パブリックコメント手続の実施中であるが、この手続などにより、県民の声を広く聞くとともに、今後とも議会の意見等を真摯に受けとめていただきたいと考える。そして、計画の策定においては、教育施策の方向について、県民に対して明確なメッセージが伝わるような、よりよい教育基本計画に仕上げていただくよう、強く要望しておく。 次に、第3項目、教員の指導力向上と免許更新制についてである。 近年の適格性を欠く教員、指導力不足の教員への対応について、その資質の向上策などではさまざまな取り組みが進められている。 県教育委員会においても、教員の資質能力と指導力の向上をめざす取り組みの方向性が示され、教職員のパワーアッププランを策定し、指導力が不足する教員の判定、研修等の支援を行う、指導力向上を要する教員のフォローアップシステムの実施などに取り組まれている。 私は、以前の一般質問でもたびたび取り上げたが、この指導力向上を要する教員への対応では不十分さを感じざるを得ない。このフォローアップシステムでは、指導力不足教員として新規に認定された県内の教員数は、平成16年度が8名、17年度が2名、18年度が3名、そして19年度では4名という推移であり、その者に対する個人別プログラムによる研修を受けた、20年5月までの累計者数はたったの16名となっている。これは、やはり他県と比べても、認定教員数、研修受講者数とも、相対的に少ない状況にあると思われる。 認定された教員が訴えを起こしたり、1年間の研修に多額の経費を要するなど、制約は多いとはいえ、市町の教育委員会レベルでの研修を余儀なくされたり、学校現場では休職の期間を経て、他校への配置がえという、いわばたらい回しで、糊塗する結果になっている。現場の子供たちは学習意欲の低下や、先生の資質に起因する学級崩壊が起こっており、この指導力向上を要する教員のフォローアップシステム制度は、保護者の悲痛な訴えにこたえるものとはなっていない状況である。 このような中、国の教員免許更新制度では、教育の成否は教員の資質能力がかぎであり、教員に対する期待にこたえるものであってほしいと願うものである。すべての教員が、社会状況や学校教育が抱える課題、子供の変化等に対応し、教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身につけることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることをめざすものとして、この4月から導入される。 そこで、県教育委員会として、これまでの指導力向上を要する教員のフォローアップシステムを実施してきた評価と、来年度からの教員免許更新制における、指導力不足の教員への対応がどのように変化していくと考えているのかお伺いする。特に、子供たちがきっちりと学習できることが保障されるものかについても、明確な答弁をお願いする。 ○溝口教職員課長 フォローアップシステムでは、問題や課題を抱える教員の状況に応じて、まず、学校現場での校長や同僚教員等による指導、支援、あるいは市町教委等での短期研修を、教育事務所に配置した学校支援チームによる支援のもとで実施して、それでも改善が見られない場合には、県立教育研修所での長期研修を実施することとしている。 平成16年度から20年度までの実績としては、教育研修所での研修が必要と判定した教員を含め、フォローアップの対象とした教員は220名であり、そのうち改善が図られた者が86名、退職した者が33名、教員以外の職種への変更を行った者が2名で、残りの99名について、現在も指導や研修を実施している。他府県と一概には比較できないが、着実にその成果が上がっていると考えている。 一方、免許更新制は、教員が最新の知識技能を身につけ、指導力の向上を図ることをその目的としているが、現職教員に対しては、10年ごとの講習の受講が義務づけられており、大学等が行う修了認定試験に合格しない場合には免許状が失効するということになっている。 いずれの制度も教員の資質向上という極めて重要な課題を担うものであって、子供たちの生き生きとした学習活動が展開されるよう、制度の適切な運用に努め、県民の教育への信頼の確保を図っていきたいと考えている。 ○森脇委員 ありがとうございます。一番最初に申し上げた、この違法行為が疑われる、しかも教頭の任用というような県の教育委員会の事務について疑いが持たれておるわけであるから、徹底的にやはり調査、指導すると。そういうことがもしできなくて、西宮市の声を、ああ、そうかと言っておるのであれば、県の教育委員会は要らないということになるので、くれぐれも徹底した調査、指導をお願いする。以上で終わる。 平成21年3月16日 意見表明 ○森脇委員 私は、自由民主党議員団を代表し、まず本委員会に付託された第1号議案から第22号議案、第50号議案及び第109号議案について、意見表明を行う。 昨年後半以来、アメリカ発の金融不安に端を発した世界的な景気後退の波は、我が国の経済・雇用情勢にも深刻な影響を及ぼし、日ごとに深刻さを増しつつある。 本県においても、それは例外ではなく、非常に厳しい経済・雇用情勢の中にあって、我々は行革を進めつつも、悪化する県内経済への対策にも取り組まなければならない。新行財政構造改革推進方策、いわゆる新行革プランは、世界の景気がこのような急激な変化の兆しを見せるのとほぼ同時期の昨年10月に議決したものである。平成21年度予算枠の新行革プランの議決後、最初の予算編成であり、従来にも増して重要なものである。 また、いまだ明るい兆しの見えない経済・雇用情勢の中で、今後の行財政構造改革の行方を占う意味でも大きな意味を持つものであると認識している。 まず、歳出については、投資事業の前倒しや、中小企業等の経営安定化対策、雇用安定対策を引き続き実施するなど、これまでの補正予算とあわせ、切れ目のない一体的な対応を図ることで、県として景気を下支えするために可能な取り組みを総動員している。 また、その中にあっても、消費者行政の強化や障害者への支援の充実など、県民の安心確保への対策も図られており、歳出の観点からは評価できるものとなっている。 一方で、歳入の観点からは、世界全体の経済状況がこれだけ混迷の度合いを深め、不透明さを増しつつある状況の中で、本年1月に内閣府が示した経済成長率をもとにした試算では、平成30年度までの10年間で1,025億円の要調整額が生じる見込みとなっている。この要調整額を起債と基金の取り崩しで賄うことについては、安易な起債や基金の取り崩しは厳に慎まなければならないところではあるが、今回は景気の悪化が余りにも急激であり、他の歳出削減を検討するだけの時間的余裕もなかった点を考慮すると、21年度予算についてはやむを得ないと考えている。 新行革プランの変更については、わずか5ヵ月前に議決したばかりの新行革プランの財政フレームを修正することに対しての評価は難しいところではあるが、平成22年度以降の要調整額について、その解消策が示されていなかったことについては釈然としない。もちろん、国の予算編成、地方財政対策がベースになることは十分承知しているが、本県独自の調査・分析もこの際、必要ではないか。 そこで、22年度以降の要調整額の解消に向けた歳入歳出両面からの具体的な改革の方策については、ことし上半期の経済情勢や税収状況を踏まえ、遅くとも平成22年度当初予算の編成作業が本格化する本年秋ごろまでには示されることを改めて強く求めるものである。 特に、公社、外郭団体のさらなる整理・統合、事務事業の見直し、高額な維持管理費を要するハーバーランド庁舎などからの撤退、当分の間の海外出張の自粛などを検討する必要があると考えている。 また、今回の財政フレームの変更は、税収の見込みが甘かった面も否めない。不確定要素が大きく、先行きが不透明な経済情勢の中ではあるが、税収や地方交付税についての見積もりの精度をより高めるとともに、厳しく想定しておく必要があると考える。 さらには、今回の財政フレームの変更には、内閣府の示した経済成長率の3種類のパターンの中でも中位のものを根拠として算定しているが、危機管理としてさまざまなケースを想定した準備は常にしておくべきである。 加えて、地方の行財政運営は、現行システムの中では限界に近づきつつあることも踏まえ、国に対し、地方税財源の充実等を求める活動も十分に行うことを求める。 以上のような点を踏まえ、我々はこれからも新行革プランの不断のチェックを行い、厳しい経済情勢の中での行革を支えることの決意を込めて、今回付託された新行革プランの変更議案及び平成21年度予算案に賛成する。 しばらくは厳しい経済情勢が続くと見込まれる。その中にあっても、行革を推進することで、将来に夢と希望の持てる雄県兵庫が復活することを期待している。 次に、日本共産党議員団から提出された第1号議案、第4号議案、第6号議案及び第9号議案の編成替えを求める動議に対し、反対する立場から意見表明を行う。 日本共産党議員団から提出された動議のうち、主なものについて我が会派の見解を申し上げる。 まず、民生費の重度障害者・児医療費公費負担助成費や、老人医療費公費負担助成金、母子家庭等医療給付事業助成費など、既に昨年度からの行財政構造改革調査特別委員会において、たび重なる検討、議論を重ね、本議会として意思決定したものについては、今さら差し戻しというのは論外である。 また、商工費については、放射光利用促進費や産業立地促進費など、県内への投資等を促進し、県内の景気刺激効果や雇用創出効果に寄与する施策についての減額が示されており、現在の経済・雇用情勢に対する理解が不足しているとしか思えない。 公共事業については、県土の均衡ある発展、県民生活の安全性の確保といった観点から、県民生活に密着した社会基盤の整備は必要不可欠である。本県の河川整備率、県管理道路改良率、林道整備率などは、全国的に見ても不十分であり、また自然災害に対する備えや老朽化する既存ストックへの対応、地方における生活道路や播磨臨海地域道路や東播磨南北道路など、整備を必要とする分野や地域が残っている。 こうした公共事業の持つ景気刺激効果や雇用創出効果といった側面も大変重要であり、その意味でも、当局提案の予算案は、そのような課題、必要性に対応するものであり、妥当であると考えている。 警察費については、凶悪事件が後を絶たず、警察の役割がますます重要になっている中にあって、捜査費の減額を求めるなど、県民の安全・安心を軽視しているとしか思えない。 その他、当局からは、総務、労働、教育関係など、経済・雇用対策と行革を同時に進めなければならない中にあって、本県がかかわる課題におおむね適切に対応した予算が提案されており、その提案された予算案について、歳入を含めて組み替える必要はないと判断し、予算組み替え動議には反対を表明する。 |