| 平成20年10月1日 第296回定例会一般質問 |
| 私は、昨年の統一地方選挙におきまして、家族の絆、地域のつながりの再生を県民の皆様に訴え、広く賛同を得て当選させていただきました。 井戸県政もまた、平成20年度の7つの重点政策の1つとして、元気な兵庫をつくるため、家庭と地域の再構築を高らかに掲げておられます。 これは、私の政策に倣ったものかどうかはわかりませんが、560万県民を、どのように、どこへ導くのか、井戸敏三知事のリーダーシップの見識を示すものと、高く高く評価するものであります。 私は、今回、一般質問の機会をいただき、戦後64年、今日の深刻な社会状況を、どう打開すればいいのか、家族の絆を再生する提案や、道徳教育の推進を訴える一方、家族や共同体の絆を分断しつつある極端な過度の人権主義に基づく人権政策や、戦後教育の問題を点検したいと思うのであります。 私、森脇やすとは、明るい日本、強い日本、元気なひょうごを創るため、兵庫県議会 同憂同士の方々と共に、わが井戸県政を力強く推進してまいりたいと思います。 |
| 質問の第一は、「親学び応援事業について」であります。 1 親学び応援事業について 私は、これまでから「親学」の重要性について主張して参りました。「親学」とは、現在すでに親になっている人や、これから親になる人々に、親として学ぶべきことを伝えるものであります。 これまで、子どもを生み育てることは、家族や社会にとってごく自然な営みであり、あえて学ぶものではありませんでした。しかし、核家族化が急激に進み、地域のつながりが希薄化していくなかで、家族や地域ぐるみの子育てが難しくなってきているのが実情であります。 そのような状況のなかでは、これまで家族代々の知恵として、あるいは地域の習慣や伝統としてあった子育ての方法がうまく伝わらなくなっています。そこで、親としての学びの場を提供する「親学」が必要となるのであります。 今、子どもたちの心の荒廃が大きな社会問題となっています。それは、近年多発している未成年者による残虐な事件をはじめとして、学校でのいじめや不登校、自殺、家庭内暴力など、さまざまな形で現れています。 子どもの心の問題として、大きく3点があげられています。まず、我慢ができない、次にコミュニケーション能力が乏しい、そして無気力・無責任です。 こうした要因については、いろいろと言われていますが、1つには、幼児期に基本的な生活習慣が身に付いていないことがあげられています。 基本的な生活習慣は、子どもの心と体の発達にとって非常に大切なものですが、大人の生活の夜型化、食生活の変化などによって、深夜まで夜更かしをする子どもや朝食抜きで学校へ行く子どもが増えています。 生活習慣の乱れなどの問題の背景には、核家族化・少子化・都市化の進展、社会全体の規範の低下など、親と子を取り巻く環境の変化とともに、家庭や親の教育力の低下が言われています。 そのような中、今年度から、家庭力を高め、親自らが親として成長するための学びを応援するための、「ひょうご親学び応援事業」が実施されています。これは、親学びの実践に向けた助言を行うアドバイザーチームを設置し、講師リストや学習プログラム事例集を作成し、ホームページで公開したりするものであり、これまでの私たちの主張をご理解いただいた事業として、また、親学の取組の第一歩として、高く評価するものであります。 また、神戸大学や兵庫県立大学など、県内14大学との連携による「まちの寺子屋師範塾」の実施により、地域の人が、子育て支援について学ぶことができる講座を開設するなどの事業も始められており、子どもの誕生から社会人になるまで、難しくもあり、また楽しくもある子育て中の親自身が成長する、またとないチャンスにするため、親学を通じて子育て中の親を応援するものとして、これらの事業を大きく展開させていただきたいと考えております。 そこで提案ですが、現在進められている取組に加え、「親学推進員」のようなシステムをつくり、公募や講習の実施などにより、「親学」を推進する活動への支援も行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。 まだ緒についたばかりの親学関連の事業ですが、今後、県として、この事業をどのようなビジョンを持って、どのように展開していこうとしているのか、ご所見をお伺いいたします。 質問の第二は、「道徳教育について」であります。 2 道徳教育について 道徳教育は、人が人として生きるための根幹であり、織物に例えますと、経糸(たていと)である「命の大切さ」を認識させたり、緯糸(よこいと)である公徳心や思いやりを身につけるなど、重要な教育分野であることについては、異論はないことと思います。 作家の曽野綾子は、このように述べておられます。「戦後の日本の教育は、基本的に二つの間違いを犯した。まず、国民を甘やかしたのである。教師たちは、国民が国家に要求するのが基本的人権だと教えた。」そして、二つ目の間違いとして、「子どもたちに耐えることを教えなかったことだ」と。 そこで、私は、学校教育全体で取り組む道徳として、ぜひとも規範意識や規律を学ぶこと、己の欲求のままに行動することを抑える「自制心」、我慢が必要なときには我慢する「忍耐力」を、子どもたちに身につけさせていただきたい。これは、ひいては、いわゆる「友達先生」や、競争を否定し全てが同じでなければいけない「平等主義」などの、戦後教育の大転換を前提として申し上げているのであります。 また、「道徳の時間」における道徳教育について、私は、ロールモデルとなる伝記教育や担任の先生が自らの体験を語る体験道徳など、子どもの眼を輝かせるような道徳授業を提案してまいりました。 しかしながら、全国的にも、本県においても、これまで体系的な道徳教育が行われてきたとは言えません。 わが宝塚市では、過去には、道徳を年間2時間しか実施しない中学校があったり、今なお平和教育や人権教育に偏った道徳教育をされている学校が多いのであります。 また、石川議員の代表質問に対する答弁で、「詳細な年間指導計画の作成が不十分であった」と、吉本教育長が触れられました通り、宝塚市内においては、小学校の年間指導計画は、毎月のテーマのみで全く狙いも学習指導要領の項目への引き当てもなく、以前に私が改善を申し入れたところ、宝塚市教委の幹部は、「学習指導要領には、年間指導計画の書き方について指示はなく、充実させる必要はない」とのことでした。 県では、我が会派の提言により、道徳教育実践推進アクションプランが、第一期は平成16年度から17年度にかけて実施され、県下各地のそれぞれの学校や地域でそれぞれの地域に関わる独自の教材の開発に取り組む参考資料として、「『地域教材の開発』指導資料」が作成されました。また、平成18年度から19年度にかけての第二期においては、モデル校において様々な取り組みが行われ、今年3月に、「道徳教育実践事例集」としてまとめられています。 その内容を見ると、地域教材を開発・活用した事例や、「いきいき学校応援団」を道徳の時間に導入した事例など、多くの事例が収録されており、それぞれの現場において成果をあげていることがうかがわれます。 我が会派の石川議員が代表質問で述べたとおり、今後は、これまでのモデル校における取り組みの成果を県下全域に広め、充実した道徳教育を展開していくことが、県教育委員会に課せられた重要な役割であります。義務教育の一年一年は、その児童生徒の一生にとって、かけがえのないものであり、道徳教育の必要性と重要性への理解が高まっている今こそ、体系的な道徳教育の全県展開に踏み切るべきであり、具体的なアクションプランを作成すべきであります。 また、道徳の授業は、子どもたちと先生との信頼関係のもと、心と心が通わなければ、その成果は実感できないものであります。教える側と教えられる側の心が通う、体系的な道徳教育を全県で実施するためには道徳担当教諭、または担任への支援が不可欠であります。そのためには、教員も、子どもたちも、道徳の時間を心待ちにするような、そんなすばらしい副読本を、県教育委員会の総力をあげてつくるべきであると考えます。 そこで、これまでの二期にわたる道徳教育アクションプラン実施に対して、県教育委員会としてどのように評価しているのか、また、副読本の作成について、どのようにお考えなのか、ご所見を伺います。 質問の第三は、「全国学力・学習状況調査の結果の公表について」であります。 3 全国学力・学習状況調査の結果の公表について 昨年、43年ぶりに実施された文部科学省の「全国学力・学習状況調査」が、小学校6年、中学校3年を対象に、昨年度に引き続き、今年4月にも実施されました。文部科学省からは都道府県別の結果が公表されておりますが、新聞報道によると、今年は、小学校では秋田県が、また中学校では福井県が、それぞれ2年連続で第1位、本県は、小学校17位、中学校21位と、ほぼ平均並みとなっています。 この、全国学力・学習状況調査の結果の公表については、全国的に議論が盛んになっておりますが、文部科学省は、序列化や過度な競争につながらないよう、十分に配慮することを求めています。また、都道府県教育委員会には、個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は行わないこと、さらに、市町村教育委員会には、個々の学校名を明らかにした公表を行わないことを求めています。ただし、市町村教委が独自に市町村内の公立学校全体の結果を公表することや、学校が自ら結果を公表することについては、それぞれの判断に委ねることとしております。 本県では、昨年度は、神戸市や西宮市、伊丹市が公表し、本年度は神戸市、芦屋市が正答率などの公表を決定しています。また、他府県の状況を見てみますと、大阪府では、知事の意向を受けたものではありますが、府の教育委員会から市町村の教育委員会に対し、市町村ごとの公表を求めており、これに対しては、大阪市、柏原市、摂津市をはじめ、14もの市町が、すでに公表を決定したと聞いております。橋下知事は、府教委から市町村ごとのデータを受け取った上で、「知事あての情報公開請求があった場合は、文部科学省の実施要領にはとらわれずに判断させてもらう」と、暗に各市町村教委の自主的な公開を迫っておられます。 また、秋田県では、知事が、自らの責任で公表するとの報道もなされております。 さらに、広島県の福山市や東京都墨田区では、教委の指導の結果、それぞれの学校の判断において、自校の結果をホームページで公表しているのであります。 私は、個人別の成績を教室に張り出すような方法で公表するのは、序列化につながると言えるかもしれないが、市町別はもとより、学校別の正答率や学習状況調査と学力の相関関係などは公表されるべきであると考えます。 小学校、中学校のトップである秋田県や福井県では、なぜ学力が高いのか。生活指導の充実により、子どもが落ち着いて授業に取り組む環境が確保されていまる。さらに、学校と家庭との連携により自宅学習が進められた結果でもあると言われております。 毎年約60億円かけて実施されております、この全国学力・学習状況調査は、その結果を最大限に活用して、序列化ということではなく、全体の学力向上につなげるべきであります。 昨年度、結果を公開した福山市のある学校では、「分析によって身につけさせるべき学力が明確になった。それを保護者や地域に広く知ってもらうことで協力も得やすくなった」とのことです。それが「現場の声」なのであります。 市町村別、学校別の正答率や分析を公表せず、保護者に協力を求めずして、平均以下の学校も学力向上で成果をあげることが出来るのか、疑問が残ります。序列化や過度の競争などと、公表することを大声で批判しているのは、子どもや保護者ではなく、教育行政や教員が評価にさらされないためであると思われてなりません。 「県民すべてが関わる兵庫の教育」というのは、単なるお題目で内容のないものだったのでしょうか。まさに、羊頭狗肉と言われても仕方がないと思います。 県民すべてが関わる兵庫の教育を標榜し、教育立県を目指す本県教育委員会も、市町教育委員会に対し、住民への積極的な説明責任を果たすため、各市町の正答率及び分析を、保護者や地域住民に公開するよう要請すべきであると考えます。 県教育委員会として、県内市町は結果を公表すべきであるとの主体的な意思を持っていただいたうえで、市町村別、学校別の結果の公表について、どのように考えておられるのか、ご所見をお伺いいたします。 質問の第四は、「人権に対する考え方について」であります。 4 人権に対する考え方について 「人権擁護法案」は、人権擁護の施策を総合的に推進することを目的として、平成14年3月、第154回通常国会に法案が提出されたものであります。この時は、翌年の衆議院の解散によって、法案は、廃案となりました。その後、何度も法案提出の動きはありましたが、根強い反対意見もあり、今年6月、第169回通常国会への法案提出も断念されたまま、今日に至っております。 現段階においては、この法案の枠組みのままでは、法制化される見込みは全くないと言って差し支えないと思います。 この法案に対しては、人権侵害の定義があいまいである、表現の自由、報道の自由を侵害するおそれがある、新たに設置される人権委員会の権限が強大であることなどが問題視されてきました。 廃案となった法案によると、「人権侵害」とは、「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」であり、「人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」とされていました。 しかしながら、「人権」とは、具体的にどのような内容を指すのかが全く触れられておらず、「人権」とは縁もゆかりもない不当な要求が「人権」の名において正当化される危険を十分に孕んでいるものでした。 さらに、この法案により設置される人権委員会に対して、裁判所の令状なしに、立ち入り検査や文書等の調査が可能となるような権限までも付与されています。 このような、あいまい・不明確で過度に広範な規定を根拠として、行政権力が言論・表現を取り締まるのは、表現の自由の侵害ともなり得ます。 しかも、この人権委員会は、「差別的言動」を含む、人権侵害の「予防」のため「必要な調査」を行うことができ、人権侵害を行う「おそれのある者」に対してまで、説示その他の「指導」を行うことができるとされており、単に、人権侵害の危険があるというだけで取り締まりが可能となる内容です。 こうした危険な内容を含む法案である以上、現在まで国会に法案提出さえされていないことは、常識的な判断であります。 私としても、人権の大切さと、これが侵害された場合の救済システムの必要性は十分に承知しております。ただ、「人権擁護法案」には、行き過ぎがあり、このまま制度化されるには、あまりに危険であると考えているのです。人権の名において新たな人権侵害を起こしかねない人権擁護法案には、不純な政治的意図を感じざるを得ません。ここで人権侵害事例をどう防ぐかという視点に戻って考え直すべきであり、自由が制限され恐怖によって支配される社会にしてはなりません。 一方で、県においては、県民の人権意識の高揚を図るため、研修、啓発等の事業を行うことを目的として財団法人兵庫県人権啓発協会が設置され、人権に関する冊子の発行、ラジオ番組の制作、人権に関する相談事業などを実施したりしています。 ただ、残念なことに、多くの労力と費用をかけているわりには、冊子やラジオ番組の存在は、県民にはほとんど知られていないのが実情です。県民の人権意識の高揚を図る機関として、そのあり方、役割等をもう一度考え直す時期に来ていると考えています。 私は、人権文化という借り物の、必要以上に普遍化した人権の視点さえあれば、何か明るい人生や社会が約束されるかのような錯覚を抱かせるような思想や、それを疑うこともなく受け入れている本県の人権政策は間違っていると思います。改善されたとはいえ、いまなお結婚差別など深刻な人権侵害が残る同和問題や、北朝鮮に拉致され自分の意志で生きることが許されない拉致被害者の問題こそが人権侵害であります。人権をいたずらに普遍化することは、健全な社会を崩壊させ、活力ある社会を損なうことにつながると思います。また、今日の人権啓発を見ても、人権と道徳の違いがわからないという混乱をもたらしていると思います。 そこで、お伺いいたしますが、当局は、「人権」というものをどのように認識し、そして、今後、県内の人権擁護の取組をどのように進めていくのか、ご所見をお伺いします。 最後に、質問の第五は、「新名神高速道路について」であります。 5 新名神高速道路について 新名神高速道路は、国土の重要な骨格を形成する道路であり、わが兵庫県においても、高速道六基幹軸の一つとして位置づけられております。ちなみに、六基幹軸のうち、整備が完了していない主なものをあげますと、新名神高速道路、北近畿豊岡自動車道、鳥取・豊岡・宮津自動車道、中国横断自動車道 姫路鳥取線の四つであります。 新名神高速道路の必要性は、一つに、現在の中国自動車道及び周辺一般国道の慢性的渋滞の解消、二つに、大規模災害などの緊急時における中国自動車道の代替的機能であります。これらは、ひいては、わが国土の経済発展や国際競争力を確保するため、なくてはならないものであり、わが兵庫県にとっても六基幹軸の中でも特に重要な社会基盤と考えます。 さて、現在の進捗状況についてですが、既に、今年2月には、先行して、三重県の亀山ジャンクションから滋賀県の草津田上インターチェンジまでの区間が供用開始されていますが、この区間では、予想を上回る1日3万台近くの車が通行し、沿線地域では工場の立地が進み、地域の方々から大変喜ばれていると聞いています。また、高槻−神戸間については、地元での設計協議が終了し、一部の地域で用地買収に着手されたところです。地元での説明会の中では、この高槻〜神戸間の完成は、平成30年度とされていますが、事業主体である西日本高速道路株式会社によると、1年でも前倒しして、早期供用を目指すとのことであり、沿線地域にとっては、喜ばしい限りです。県でもぜひ、これに間に合うよう、最大限の協力をしていただきたいと思います。 このような中、県としても本年度、サービスエリアやそれに接続するスマートインターチェンジの設置について調査のための予算を計上していただいており、そのことについて高く評価すると共に、その結果に大変期待しているところであります。 地元にとりましても、サービスエリアやスマートインターチェンジの設置により、宝塚市北部のみならず、南部や神戸市北区、三田市、猪名川町などからの利用が期待でき、広域的な地域の利便性の向上や活性化に資するものと大いに期待するところであります。 しかしながら、せっかく宝塚にインターチェンジが設置されたとしても、そこへのアクセスとなる県道塩瀬宝塚線や川西三田線には未改良区間が多く存在するなど、現状のままでは、インターチェンジの設置効果を十分に発揮することができません。 そこで、サービスエリア及びスマートインターチェンジの設置に向けた取り組み、並びにこれらのアクセス機能を持つ道路の整備について、当局のご所見をお伺いします。 |
| (質 問)「親学び応援事業について」(答弁者:井戸知事) 近年、家庭や地域の力が低下して、子どもに社会の基本的なルールを教えることができない親や大人が増えていると言われています。このため、親自らが親として成長する学びを応援する「親学び応援事業」や地域ぐるみの子育てを支援する「まちの寺子屋師範塾」など、親学びに関する事業を今年度からスタートさせました。 このうち、親学び応援事業は、ご質問の中でも触れていただきましたが、親学びに関する専門家を中心としたアドバイザーチームの編成や学習プログラムの開発を行い、自主的な学習の機会を提供しようとするものです。具体的には、県PTA協議会では青少年のインターネット・携帯利用に関するフォーラム等を順次開催していっていただいていますし、婦人会では地域の伝統行事や昔遊びの体験学習会等を市郡単位で開催していただいておりますなど、各団体において、県内各地で県民運動としての自主的な取組がひろがっているところです。 今後さらに、学習プログラムや広報を充実するほか、子育てや地域活動等との関わりが薄い父親にも参画を促すなど、各地で組織されつつある「おやじの会」等の連携を図っていくとともに、「ひょうご家庭応援県民運動」を推進する地域団体や企業等においても、親学び応援事業を普及啓発するキーパーソンとしての推進員の設置についても検討してまいりたいと考えています。 一方、「まちの寺子屋師範塾」は、親またその支援者である中高年世代の学習の機会として、県内大学からなる大学コンソーシアムひょうご神戸との子育て応援協定に基づいて行っているものです。神戸大学、兵庫県立大学、神戸親和女子大学など14大学において、子どもの健康、発達、食、遊びなど多様なテーマの16講座が組み込まれています。今後、修了生等による地域の親子支援のための「まちの寺子屋」開設にも取り組んでいただきます。 このような取組を通じて、心豊かな子どもを育む子育て文化の伝統を次代に伝えつつ、「わが子の親」としてだけではなく、地域で子育てを支援する「地域の親」としての力を高めることにより、家庭力を向上して、地域全体で多世代が共に支え合って暮らす、「地域三世代同居」の一層の推進を図ってまいります。 先日も、地域コミュニティの再生が県民生活審議会から答申されたところです。これを基にさらに人的体制の充実を含めて、その施策の具体化を検討してまいります。 併せて家族のきずなや結びつきが取り戻されなければなりません。そのために親子が共通の時間を持ち、共通の場で寄り添う、共通体験をする機会を意識的に作る必要があると考えています。「家族の日」を作ろうということを呼びかけています。週1回でもよい、月1回でもよい、食事を共にする、散歩に行く、舞台を見るなどを通じて親子の共通体験を是非持ってほしいと期待しているものであります。この点につきましてもご理解をいただき、推進を図りたいと考えています。 (質 問)「道徳教育の推進について」(答 弁 者:吉本教育長) 本県では、平成16年度から、「道徳教育実践推進アクションプラン」に取り組み、子どもたちに道徳性を着実に身に付けさせるため、保護者や地域の方々の参画を呼びかける道徳教育フォーラムの開催や、郷土ゆかりの人を教材として、ふるさとを愛し先人の生き方に学ぶ指導資料の作成に取り組んできました。加えて、平成18年度からは、指導資料をもとに地域教材を開発し活用する実践研究をまとめた実践事例集を作成するなど、道徳教育の充実を図ってきたところであります。 この評価としましては、学校、家庭、地域が一体となって子どもを育てる機運が高まり、授業公開に道徳の時間を選択する学校が増加したり、地域の方々に講師として道徳の学習に参画していただいており、一定の成果が得られていると考えております。一方、地域教材の開発・活用につきましては、小学校で33%、中学校で21%の実施にとどまっており、まだ十分に活用されているとはいえないという課題も見られます。このため、先行事例の成果の周知や、教員の教材開発力を高める研修会の開催に取り組むなど、全校展開に向け、地域教材が未完成の学校を支援してまいりたいと考えております。 さらに、今回の学習指導要領の改訂に伴い、児童生徒の発達段階に応じた体系的な道徳の時間の指導の充実が図られましたことから、今後、県独自の指導用の手引書を作成し、学習指導要領の円滑な実施に取り組みますとともに、国の概算要求に盛り込まれました副読本に ついて、その動向を見極める必要はございますが、効果的な活用方法などについて、市町教委を支援してまいりたいと考えております。 (質 問)「全国学力・学習状況調査の公表について」(答弁者:吉本教育長) 全国学力・学習状況調査の結果の公表については、種々議論がなされていることは承知をいたしております。 本調査の実施主体である国からは、調査結果の取扱いについて、本調査により測定できるのは、学力の特定の一部分であることや学校教育の一側面に過ぎないこと、序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮する必要があることを踏まえ、適切に取り扱うこととされており、具体的には、都道府県教育委員会においては、本調査の実施主体が国であることや、市町が参加主体であることに鑑み、域内の市町及び学校の状況について、個々の市町名・学校名を明らかにした公表は行わないこととされているところであります。また、市町教育委員会や学校は、国の定めました実施要領に基づき国や都道府県教育委員会が調査結果を公表しないことを前提に本調査に参加をいたしているところであります。 学力調査が以上の経過を踏まえて実施されていることを考慮すれば、県教育委員会が独自に市町の状況を公表することは、国や市町に対する信頼関係を損ないますとともに、今後の円滑な事業の実施に影響を及ぼす恐れがあり、差し控えるべきものであると考えております。 なお、市町教育委員会による公表は、国の実施要領において、それぞれの主体的な判断に委ねられており、この点について、市町教育委員会にも十分周知を図っているところでありますが、現時点で正答率を公表する市町は、昨年度と同様3市であると承知をいたしております。 (質 問)「人権に対する考え方について」(答弁者:井戸知事) 人権は、日本国憲法において、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられたものであるとされています。人権が尊重される社会の実現をめざして取り組んでいくことは、国及び地方公共団体の重要な責務であります。 しかし、今日においても、なお、同和問題をはじめ児童や高齢者の虐待、家庭内暴力、いじめなど様々な人としての存在そのものが問われる人権問題が存在するとともに、社会の変化等に伴い、より複雑・多様化している状況にあります。これらの課題に個別に対応するとともに、社会全体としても人権に幅広く取り組んでいくことが求められているのではないでしょうか。 このため、県におきましては、一人ひとりの人権が保障される社会、誰もがチャレンジできる機会が平等に保障されている社会などの創造的市民社会をめざす「21世紀兵庫長期ビジョン」を踏まえ、「人権教育・啓発総合推進指針」を策定し、人権尊重が社会の文化として定着し、県民みんながお互いを認め合いながら共に生きる共生社会の実現をめざしています。 具体的に、県と市町が共同で設置した県人権啓発協会を中心として、広く県民を対象とした人権啓発フェスティバルや人権相談、さらには県・市町職員、企業を対象とした人権研修等を実施しておりますし、学校においても人権教育を推進するなど、様々な人権教育・啓発事業に取り組んでいます。 今後とも、より効果的、効率的な啓発事業を地道に粘り強く進めていくことが大切だと考えますし、人権侵害事案に対しては、関係機関等と連携を図りながら、相談から救済へと速やかに繋いでいくなど、人権擁護の推進に取り組んでまいります。 なお、人権擁護法案については、様々な議論があることは承知しています。 県としても、司法的救済を補完する何らかの公的機関が第三者的に入ることにより、実効ある人権擁護が担保される仕組みが必要であると考えており、国に対して、しかるべき制度化が図られるよう提案しているところであります。 |
| 森脇議員再質問 一点だけ再質問させていただきます。 学力状況調査の公表についてでございますけれども、私、文部科学省の初等中等教育局の学力向上検討チームの責任者に会ってまいりました。いろいろ質問を申し上げましたところ、説明責任は大いにやってほしいと、市町単位、また学校単位で大いにやってほしいということを直接聞いたわけでございます。 県が国から通知を受けて、そしてまた市町に指導される際にも、やはり文部科学省によくよく、曖昧さがあるんですけど、確かめていただいて、市町が間違ったとらえ方をしないようにお願いしたいと思います。 そして、宝塚の市議会におきまして、市会議員が質問したところ、「国から公表するなと言われているからしないんだ。」という一点張りでですね、あとの独自で公表しても結構ですよという部分は言わないわけですね。 ですから、そういう誤解も多々ありますので、今後、指導には十分意を用いていただきたいというようにお願いするものであります。 答弁をお願いします。 吉本教育長再答弁 先ほどの答弁でお答えいたしましたとおり、国の実施要領におきましても、教育委員会が自らの判断によって公表することについては、主体的に判断するということにされております。 この点について、市町教育委員会に十分周知してまいります。 |