平成17年3月4日   一般質問

 森脇保仁議員

おはようございます。自由民主党議員団の森脇保仁でございます。
 ことしは戦後60年であります。日本は、敗戦の中から、先人たちの懸命な努力により、驚異的な発展を遂げてまいりました。しかしながら、ここに来て、日 本の将来に赤信号がともっております。それは学力低下と少子化という二つの大きな課題であります。ゆとり教育も7割が「評価しない」という結果が出ており ますし、少子化についても、8割もの国民が「日本の将来はどうなるのか」と危機感を持っているのであります。この危機感を行政当局は国民と共有し、発展が 持続できるように真摯に取り組んでいただきたいと思うのであります。
 以下5項目8点について質問をいたします。
 初めに、第1項目として、学力低下問題と基礎学力調査についてお伺いします。
 第1点は、学力低下問題についてであります。
 ゆとり教育と生きる力を内容とする新学習指導要領が平成14年度にスタートして、3年になろうとしています。国語、理科、算数といった主要教科 の学習内容の3割削減、教科書は驚くほど薄っぺらくなり、基礎基本と思われるものでさえ削減の対象となりました。また、中学校の英語、国語、社会、数学の 大半においては、週4時間から3時間へと25%カットされました。その減らした時間を総合的な学習に週二、三時間充て、知識の詰め込みではなくて、みずか ら学び、みずから考える力をつける趣旨のもと、各教科をまたぐような形で調べ学習や体験学習が行われています。しかし、先生方は、その準備に追われ、総合 的とは言えない内容であることも多いようであります。
 平成14年4月に新学習指導要領実施が近づくにつれ、学力低下を懸念する国民の不安や反対の声は大きくなり、実施直前の読売新聞全国世論調査 では、授業時間や教科内容の削減について国民の67%が反対、学校週5日制に対しても6割が反対という中で突入したのであります。案の定、実施後3年が経 過した昨年末、二つの国際的な学力調査、すなわち「国際学力到達度調査」と「国際数学理科教育動向調査」の結果が発表され、日本の小中学生の学力低下傾向 が明らかになりました。特に、数学的応用力と読解力や数学、算数、理科の基礎学力の低下が明らかになったとされています。3年前の懸念が現実のものとな り、このままでいくと、国際比較で日本の子供の学力レベルがさらに悪化すると言われております。
 さらに、2月6日の読売新聞には、教育に関する全国世論調査の結果が発表されました。子供の学力低下については、「どちらかといえば」を含め て「不安に感じる」が81%と、「不安に感じない」の合計16%を大きく上回っています。複数回答を求めた学力低下の原因では、「ゲームや漫画などの誘惑 の増加」が53%とトップではありますが、「授業時間の削減」が50%、「教科内容の削減」が36%、「反復学習の不足」が23%となっており、学力低下 は、ゆとり教育や教師の質の低下が原因と見る人が多く、「ゆとり教育を評価しない」と答えた人は、「どちらかといえば」を含め、実に72%となっておりま す。一方、文部科学省でも、ゆとり教育を見直し、新学習指導要領の全体的な見直しを表明したところであります。
 さて、先日、NHKテレビで、本県の朝来郡山口小学校から尾道市の土堂小学校校長になられ、このたび、中央教育審議会義務教育特別部会委員に 就任された陰山英男校長の「百ます計算」の授業を見ました。子供たちが、生き生きと自信を持って授業を楽しんでいるのが印象的でした。読み・書き・計算に しっかり時間をとるとともに、学習内容を削減すれば基礎基本が身につくといった考えの誤りを認め、学習内容をふやし、もとの姿に戻すべきと思います。
 また、OECDの国際学力調査が数学的応用力や読解力を試したものであり、みずから考える力をめざした総合的な学習の成果が出ておりません。 私は、総合的な学習は、1、2学期の応用として3学期だけでやるか、総合的な学習の時間をやめ、例えば、算数に理科、社会の内容を取り込み、教科の内容を 総合的にすることによって、主要教科の時間数を回復すべきだと思います。
 そこで、質問ですが、まず、文部科学省は、学力低下を認め、ゆとり教育を見直そうとしていますが、県教育委員会は、3年経過したゆとり教育及び生きる力をどのように総括されているのか、ご所見をお伺いします。
 第2点として、基礎学力調査についてお伺いします。
 さて、懸念されるのは、兵庫県の児童生徒の学力であります。平成16年3月に本県単独で2万2,000人を対象に実施した基礎学力調査では、平 成14年1、2月に全国45万人を対象に実施された同じ内容の調査と比較して、国語、英語は全国平均と同程度、算数、数学ではやや高い結果で、総じて「概 ね良好」とのことであります。しかし、全国平均ぐらいで満足していてはなりません。全国の学力レベルが低下しているなら、兵庫県にとってもゆゆしき問題で あります。
 今回、県では、基礎学力調査の対象を12万人に規模を拡大し、全小中学校で最低1教科1クラスで実施しようとしています。高等学校入学選抜制 度の学区ごとの分析や、学校規模や地域性による分析、さらには授業時間数の確保の達成度と学力との関係の分析の結果を受け、各市町教育委員会ごとに詳細な 課題や対応を指導、助言すべきと考えます。
 教育課程の責任を負う市町教育委員会が、この学力の問題について、学力調査の結果を活用し、改善のため検討する方向へ県教育委員会は市町教育委員会を指導していただきたいと思いますが、今後どうするのか、お伺いいたします。
 次に、第2項目は少子化対策についてであります。
 第1点として、少子化の認識と取り組みについてお伺いします。
 平成6年にエンゼルプランが策定されて10年がたちますが、その間、女性が生涯に産む子供の数、すなわち合計特殊出生率は1.5から1.29と なり、とどまることを知りません。兵庫県でも地域により大きなばらつきがあるものの、県としては、全国平均より低い1.25となっております。先進諸国の 中では、日本、ドイツ、イタリアが最も低いグループに属しております。
 少子化が進展しますと、日本も、平成19年ごろから人口減少社会となり、2050年には人口が1億60万人、2100年には人口が6,400 万人に半減してしまうと言われております。生産労働人口の減少、消費マーケットの縮小、年金や医療費などの社会保障制度の行き詰まりなど、成長が弱り、経 済力が衰退した将来の社会が容易に想像できるところであり、少子化対策は、国にとっても県にとっても喫緊の重要課題であると考えます。
 昨年10月7日発表の内閣府特別世論調査によると、低出生率が続く日本の将来に危機感を感じている人は76%に達しております。政府では、 「子育て家庭が安心と喜びを持って子育てに当たられるよう社会全体で応援する」との基本的な考えに立って、少子化の流れを変えるため、昨年6月に「少子化 社会対策大綱」を策定しました。その事業計画として、年末に新エンゼルプランを改定して、「子ども・子育て応援プラン」を策定したりしています。特に、 「少子化社会白書」では、今後の5年間が第2次ベビーブーム世代の女性が出産年齢期にあり、少子化の流れを変えるチャンスと、積極的な施策展開を促してい ます。
 それでは、兵庫県では、少子化の進展について、現在どのような危機感を持ち、取り組みを行っているのか、また、今後、「すこやかひょうご子ども未来プラン」を改定し、どのような取り組みを推進しようとしているのか、お伺いします。
 第2点として、専業主婦の育児への支援についてお伺いします。
 これまでの少子化対策は、保育所の待機児童の解消や仕事と育児の両立など、働く女性への支援を中心に進められてきましたが、それとともに、もう一つの柱である専業主婦への支援も広げていく必要があります。
 公立保育所では、子供1人当たりの運営費から平均保育料を差し引くと、市町にもよりますが、保育料軽減措置が大きいため、子供1人当たり月10 万円を超える税金が投入されております。働く女性に対しては、こうした保育サービスへの税金投入を初め、これまで多くの取り組みがなされてきましたが、家 庭で育児をする専業主婦に対しては、公的な育児支援が量的に余りに足りないのではないでしょうか。一般的に少なくとも3歳までは、家庭で親と子供が時間を 過ごし、愛情を注ぐことが大切であると言われます。合計特殊出生率が1.7と比較的高いノルウェーでは、保育所を使わず、家庭で1歳から3歳の子供を育て る親に月6万円を超す国の手当てを支給し、親が子供と過ごす時間を重視しています。税の分配の公平性からも、家庭での育児の大切さを評価して、もっと専業 主婦の育児への支援を厚くするべきだと思います。
 特に、都市化、核家族化により、子育ての孤立化が見られ、子育てを身近な人に相談できない現状があります。地域社会での支援方策など、どう支援するのか、お伺いいたします。
 次に、質問の第3項目は産業廃棄物の不法投棄未然防止についてであります。
 だれしも自分の生まれ育った郷土の美しい自然を子供や孫に残していきたいと願っているものであります。産業廃棄物の不法投棄は、自分だけの一時の利益と引きかえに、郷土の自然を破壊し、住民に長い間苦痛を与える最も反社会的な行為であります。
 宝塚市北部の農村地域であります西谷地区では、平成12年度に無許可業者による大規模な産業廃棄物の不法投棄がありました。多くの業者から安い 値段で産業廃棄物を受け入れ、土砂に、解体によって生じたコンクリートや木くずなどをまぜたことから、道路沿いに大きなごみの山が8ヵ月の間にできてしま いました。私も、市議会議員として議会で問題にし、住民集会を開催するなどの全力を挙げて行政や警察を動かすため取り組みました。警察が入り、無許可業者 の逮捕、起訴に至りましたが、当初、本人は、全財産をなげうって撤去するとして、執行猶予付懲役1年とたった300万円の罰金での温情判決には何ともやり きれない思いをしました。もちろん撤去することもありませんでした。
 先日、阪神北県民局と兵庫県産業廃棄物協会の主催による「不法投棄未然防止フォーラム」が開催されましたが、多くの県民、事業者の方が参加さ れ、不法投棄に対する関心の高さがうかがえました。その中で、県民局の方が、過去の反省点として、法の不備、監視力の限界、行政の後追い対応を挙げておら れました。法の不備により、無許可業者が、自己解体物と称して産業廃棄物を受け入れ、仮置き保管として言い逃れしておりました。また、捨てる目的にもかか わらず、有価物と称して堆積の口実にしていたのであります。
 「産業廃棄物の不適正な処理の防止に関する条例」の制定は、この事案が契機となったと聞いておりますが、条例施行後1年が経過しました。一定 規模以上の土砂の埋め立てについては許可制となり、立ち入りが可能となるなど、廃棄物処理法の不備を補うものとして、大いに効果があるものと期待しており ます。条例施行以降、大規模な産業廃棄物の不法投棄は減っていますが、トラック1杯程度の小規模な建設廃材の投棄がまだまだ見受けられます。
 こうした投棄に対して、地域住民による通報の協力など連絡体制の構築が必要でありますが、「どこに連絡していいのかわからない」との声を聞く こともあり、あらかじめ投棄されそうな場所については、市なり県の窓口の連絡先を記した看板を設置すれば、投棄の未然防止や早期発見による規模の拡大防止 に効果があると思われます。
 産業廃棄物の不法投棄を防止し、郷土の美しい自然を維持するため、この条例施行後1年の評価と今後の課題をどう認識しておられるのか、お伺いいたします。
 次に、質問の第4項目は、旧宝塚音楽学校の保存と活用についてであります。
 宝塚市では、平成15年に宝塚ファミリーランドが閉園になりました。また、市内でも工場の撤退による空き地が目立ち、観光地のホテルもマンションに変わるなど、都市が空洞化し、いかに活力を維持できるか、再生できるかが市民の間でも危機感を持って語られております。
 特に、宝塚ファミリーランドは、全国からの集客力のある宝塚歌劇とともに、街のイメージとして欠かせないものであり、京阪神の多くの方々が閉園 を惜しむとともに、何らかの形でファミリーランド文化を残してほしいとの署名活動が展開されました。宝塚市は、関西学院大学や阪神北県民局、阪急とも連携 して、都市再生の調査事業を行い、その一環として、旧宝塚音楽学校を残し、活用することが、現在、検討されております。
 宝塚の歌劇は、全国的にその名が通っているばかりでなく、海外に行けば、日本に行ったことのある外国人から、神戸や大阪や京都と同じように、 宝塚の名が聞かれるほど知名度の高いすぐれた国際ブランドであります。また、地域のアイデンティティーであることは紛れもない事実であり、世界に誇れる文 化の情報発信が90年にわたってされ続けてきたのであります。
 その旧宝塚音楽学校は、単に一民間企業の建築物にとどまらず、県民、市民にとっての大きな財産ではないでしょうか。さらに、宝塚歌劇を生み、 育ててきたあかしの場であります。そういうあかしである建物を、文化を発信し、新たな宝塚文化を創造する拠点として、一企業、一市の問題としてだけでな く、県民の守るべき貴重な財産として、ぜひとも保存し、利活用していただきたいと強く願うものでありますが、お考えをお伺いいたします。
 最後に、第5項目として、宝塚新都市用地の里山林整備と阪神野外CSR施設について質問します。
 まず第1点は、里山林整備についてであります。
 阪神地域という大都市の後背地に位置し、びょうぶのように連なり、地域の環境のよさに欠くことのできないのが北摂の山地であります。また、都市 住民にとっては、かけがえのない自然として親しまれております。阪神北地域では、面積の60%が森林であり、そのうち人工林は9%と著しく少なく、ほとん どが自然林であります。もっとも自然林といっても、40年前まではまきや炭を取ったり、建築材としての地松を取るなど、極めて生活と密着して大いに活用さ れてきたのが里山林であったわけです。しかし、燃料がガスになり、建築材も真っすぐで安い外材に取ってかわられ、利用されなくなるとともに、松枯れで荒れ た雑木林となっているのが現状です。
 つまり、里山林は身近な自然環境の一つであり、生活の場であり、生活文化をはぐくんできた場所とも言えます。また、防災の点においても、保水 や土砂の流出を防ぐ機能を持ち、里山林の適切な管理、手入れの必要性は、昨年の台風による風水害でも再認識させられたところです。さらに、近年は、人と自 然のふれあいの場として、山歩きがますます盛んになり、レクリエーションや自然観察などの環境学習のために活用されております。
 さて、平成16年2月県議会における私の宝塚新都市の整備についての一般質問に対して、知事は、「本格的な事業着手が見込まれるまでの間、暫 定的に里山林としての活用などに取り組んでいく」と答弁されました。昨年秋に地元説明があり、将来、土地需要が見込まれる玉瀬第3クラスター等を除く約 260ヘクタールを対象地域として、5年計画で里山林整備を行うと聞いております。
 コナラやアカマツなどを残し、低木を刈り取り、遊歩道やベンチ、道標、案内板を設置するようであります。ことしになって一部工事を開始されて おりますが、遊歩道やクラスター間の山歩きルートの設定にも地元の知識と協力を得れば、よりよいものができると思います。また、丸山湿原群のある玉瀬第2 クラスターの整備に当たっては、宝塚市西谷地区湿原群保全・活用方策研究会とよく調整し、湿原の保全のための作業として取り組んでいただきたいと思いま す。
 そこで、今後どのような考え方のもとでこの地域の里山林整備に取り組まれるのか、お伺いいたします。
 さらに、兵庫県は、全国に先駆け里山林の整備に取り組まれ、このたび、さらに量、質ともに充実していこうとしていると聞いていますが、その考え方、目標についてあわせてお伺いいたします。
 第2点は、阪神野外CSR施設についてであります。
 阪神野外CSR施設は、平成4年に宝塚新都市用地の大原野第3クラスター内で、宝塚市所有の山林を事業地とした県と市の共同事業として計画決定 されておりましたが、その後、二度にわたる新都市整備の進度調整により、新都市整備が進まなければ、阪神野外CSR施設も進まないという状況が続いてまい りました。この間、地元から県、市に早期整備が要望されてきたところであります。
 平成17年度当初予算の中を見ると、阪神野外CSR施設は、里山林や環境や自然保護をテーマにした活動拠点として鋭意検討されており、やっと 長年の要望が動き出したことをうれしく思いますし、地元関係者を代表して、知事のご判断に感謝を申し上げます。里山林整備とともに、まことに時宜を得た、 時代に合った事業と評価いたします。
 阪神間の都市から比較的近いところに位置した都市と農村の交流の拠点、また、環境学習のフィールド、里山の山歩きの基点などが想定されると思 います。既に、市所有地では、地元のまちづくり協議会環境部会のボランティアの皆さんのおかげで山道が整備されました。また、宝塚の全小学校から募集した 子どもナチュラリストクラブにより、シイタケ菌をコナラやクヌギのほだ木に植えつけたり、里山の下草刈りなど、楽しみながら体験活動をしています。
 また、拠点施設においては、里山林や丸山湿原群の展示を行ってはどうでしょうか。施設予定地の近くには丸山湿原という県下有数の湿原群があ り、高い平地に小規模な湿原が多数存在し、湿原に見られる希少種の植物、昆虫の宝庫であります。湿原の生態系や自然保護の大切さを学べる年間を通じての展 示が望ましいと思います。さらに、設計に当たっては、地元の意見をよく取り入れていただきたいと思います。
 阪神野外CSR施設の見通しとどのような構想を検討されているのか、お伺いいたします。
 以上で質問を終わります。(拍手)




知事(井戸敏三)

 自由民主党議員団の森脇保仁議員のご質問にお答えいたします。
 まず、少子化対策についてでありますが、少子化の認識と取り組みについてお尋ねをいただきました。
 少子化につきましては、マクロ的に言いますと、少子・高齢社会ビジョン有識者検討会議が、「人口減少それ自体が問題なのではなく、それによってもたらさ れる従来の社会経済システムの矛盾が問題なのだ」と指摘しておりますように、過度の危機感を持つ必要はないとは思いますが、問題は、高齢者と若者の数が急 激にバランスを欠くという過渡期の問題で、社会の持続的発展ということを考えますと、現世代が次世代を期待してバトンを渡すという責任を負っている、そう いう意味で少子化問題に取り組む必要がありますし、ミクロで見ますと、個々人のレベルで見ますと、子供を育てるということと子供を持つということの2側面 を、従来、家庭という個人レベルでのみとらえていましたが、地域や社会の問題として社会化するべき課題である、このように考えるべきではないか、このよう に考えます。
 県は、これまで「すこやかひょうご子ども未来プラン」に基づき、子育てを支援する「まちの子育てひろば」やファミリーサポートセンター事業、保育所の待機児童ゼロ作戦の推進や小児救急医療体制の整備など、いろんな各方面の分野に取り組んでまいりました。
 現在、県民意識調査やアイデア募集などを踏まえまして、新しいすこやかひょうご子ども未来プランを検討しておりますが、家庭や地域の再生を図 り、安心して子供を産み育てることができる社会をめざしまして、引き続き子供のすこやかな育成環境の充実に努めますとともに、子育て家庭応援地域協働プロ グラムなどの少子化対策を多元的に推進してまいります。
 専業主婦の育児への支援についてご意見もいただきました。
 専業主婦の45.3%が子育てに大きな負担を感じているという調査結果があります。核家族化が進展する中で、周りに子供がいないため、育児不安 が解消せず、また、孤立しがちな状況に陥りやすくなることから、不安感が増していると考えられています。急に3世代同居が実現することが難しいんだとすれ ば、地域ぐるみの在宅育児支援が不可欠である、このように考えています。
 このため、若いお父さんやお母さんが気楽に集まり、子育ての悩みや喜びを語り合い、相談できる広場として、「まちの子育てひろば」を保育所や幼稚園などの協力を得てつくってまいりました。既に1,500以上設置されているところです。
 さらに、育児から一時的に解放し、子供を預かる一時保育や、育児中の主婦の相互援助を支援するファミリーサポートセンター、あるいは育児の相談・指導を行う子育てゆとり創造センター、乳幼児の健康づくりのための母親へのグループワークなどを実施しております。
 さらに、第2期のまちの子育てひろば事業として、専門機関との連携を強化し、相談機能を充実することとする予定です。
 今後とも、地域ぐるみで子育て家庭を応援していく地域協働プログラムなど、県と市町や民間団体などが連携して取り組んでまいります。
 産業廃棄物の不法投棄未然防止についてです。
 「産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例」の施行後約1年の評価としては、廃棄物処理法と条例の一体的な指導強化による不法投棄の拡大 が防止されてきたこと、条例を契機として、不法投棄問題への認識が高まり、防止に向けた地域での動きが活発化してきたことが挙げられると思います。
 今後の課題としては、早期発見・早期対応が重要ですので、それに向けた取り組みを強化してまいります。
 そのため、廃棄物等の保管場所には、その旨を表示した掲示板を設けることが、廃棄物は廃棄物処理法で、廃タイヤとか廃家電などの特定物は条例で 義務づけています。通報協定を既に締結しております郵便局や、あるいは農協、さらには地域住民の方々が、掲示板のない場所で廃棄物等を見つけた場合には、 すぐに通報してもらえるよう通報連絡先をチラシ等により周知するなどで早期対応を図ってまいります。
 さらに、住民の方々との合同パトロールや不法投棄されやすい場所への監視カメラの設置など、通報・監視体制を強化して、地域住民の皆様方の協力も得ながら、不法投棄を許さない地域づくりを進めてまいることとしております。
 今後とも、廃棄物の不法投棄対策に万全を期してまいりますので、よろしくご指導をお願いしたいと存じます。
 以上、私からの答弁とさせていただきます。




県民政策部長(井筒紳一郎


 私から旧宝塚音楽学校の保存と活用についてお答えをいたします。
 昭和初期における我が国近代建築の面影を残す旧宝塚音楽学校は、昭和10年に第2代目の学舎として誕生して以来60年余りの長きにわたって、宝塚歌劇の 団員養成施設として数多くのスターを輩出する中で、日本の大女優のルーツにもなってきた、いわば県民の貴重な財産であるというふうに考えております。
 宝塚市におきましても、この旧宝塚音楽学校を、ミュージアム機能等を備えた宝塚文化の発信拠点として、市民や観光客が憩える公園と一体的に整備することにより、街のにぎわいの創出を図ることとしております。
 県といたしましても、この音楽学校がこれまで担ってきた歴史的あるいは文化的な価値、これを高く評価しておりまして、宝塚市、阪急電鉄とともに、保存・活用に向けた検討を行ってきたところでございます。
 新年度、宝塚市におきまして、市民も検討委員会のメンバーになって具体的な事業展開が図られますことから、県といたしましても、引き続き積極的 に参画する中で、建物改修等の施設整備への必要な助成を行い、中心市街地の活性化と文化都市宝塚の魅力再生に積極的な支援を行っていきたいというふうに考 えております。

  



産業労働部長(江木耕一


 私から、阪神野外CSR施設につきましてお答えをさせていただきます。
 平成4年の基本計画策定後、震災もございまして、宝塚新都市開発との整合を図るために、事業調整を行ってまいりました。
 こうした中、近年、森林の多様な公益的機能が見直されていること、宝塚市や地元住民の意向がまとまり、早期整備を要望されていること、市が先行的にアク セス等の周辺基盤を整えてこられたことなどを踏まえまして、平成20年の開園に向け、宝塚市大原野の計画地を里山公園として整備することとし、平成17年 度、新たに基本計画の策定と基本設計に取り組むことといたしました。
 計画策定、基本設計に当たりましては、地元の意見を尊重いたしまして、造成等による自然や生態系への影響を極力避け、訪れる方々が、森づくり や散策などを通じて、都市近郊に残る豊かな里山の自然環境を楽しめるものにいたしますとともに、管理棟、休憩施設などの施設整備に当たりましては、丸山湿 原群の展示等につきましても、計画を作成する中で検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、施設の運営につきましても、県民の方々が、里山体験プログラムの企画や運営ボランティアなど、さまざまな形で事業の担い手として参画で きるような仕組みを、宝塚市、また地元の方々と一緒になりまして検討をいたしまして、県民みずからが活動し、創造していく里山公園として整備をしていきた い、いいものにしたい、このように考えております。




農林水産部長(黒田進)

 里山林の整備についてご答弁申し上げます。
 社会経済の発展によりまして、人々の生活とのかかわりが薄れ、荒廃が進んでいる里山林を再生するため、本県では、全国に先駆けて、3万ヘクタールを目標に里山林整備を進めているところであります。
 こうした中で、県民の森林への関心が高まり、里山林を利活用する市民グループが結成されたり、都市住民が地域住民と一緒になって里山整備を行う活動が始まりますなど、県民総参加の森づくりの取り組みが広がってきております。
 さらに、里山づくりの計画段階からの参画やいやしの空間としての活用など、里山に対する新たな要請も出てきておりまして、こうした要請にこたえるため、 里山ふれあい森づくりに取り組みますほか、安全・安心で快適な生活環境のための自主防災の森や森林・動物共生の森など、多様な整備を進めていくこととして おります。
 なお、宝塚市西谷地区は、都市部に近接する恵まれた立地条件と豊かな里山景観や貴重な動植物が生息する湿原群が存在するなどしておりますこと から、地元当該地域の皆さんや専門家の意見を十分踏まえ、自然環境にも配慮しながら、里山林の整備を行ってまいりたいと考えております。





教育長(武田政義)

 私から、学力低下問題及び基礎学力調査についてご答弁申し上げますが、双方関連が非常に強うございますので、あわせて答弁をさせていただきたいと思います。
 昨年末、国際学力調査において、日本の子供たちの成績が低下傾向にあることが報告されましたことを受けて、中山文部科学大臣は、2月15日の中央教育審 議会におきまして、知識や技能を詰め込むのではなく、基礎基本をしっかり身につけさせ、それを活用しながら、みずから学び、みずから考える力など、生きる 力をはぐくむという現行の学習指導要領の理念や目標には誤りはないとの認識を示した上で、そのねらいが十分達成されているか、必要な手だてが十分講じられ ているかといった点に課題があるとして、検討を中央教育審議会に要請したところであります。
 県教育委員会といたしましては、「ゆとり」と「学力向上」を対立概念として受けとめるのではなく、幅広の対応が必要であると考えております。 国際学力調査におきましては、学力低下だけではなく、学ぶことの楽しさ、学ぶことへの興味・関心や学ぶ意欲が乏しいこと、自宅での学習時間が他国に比べて 短いことなど、学習習慣が身についていないことなどが明らかになりましたことから、これらの面からの対策もまた大きな課題であると認識しているところであ ります。
 一方、昨年、本県が実施をいたしました総合的な基礎学力調査におきましては、小学生の9割、中学生の8割が「学校の授業がわかる」との回答をするなど、基礎学力の定着度や学習の理解度が、全国の状況より高いという結果が出たところでございます。
 ご指摘の総合的な学習の時間におきましては、学び方を身につけた児童生徒ほど基礎学力が定着している傾向が見られ、「いきいき学校応援団」等の 専門家の指導により、一定の成果が見られたと考えているところであります。さらに、家庭での予習・復習や読書週間が身についている児童生徒ほど、基礎学力 が定着している傾向も明らかとなったところであります。
 この傾向を一層確実なものにいたしますために、来年度は、総合的な学習の時間の指導力向上を図る研修や指導方法の工夫・改善のあり方についての実践研究や、読書活動を推進するひょうご学力向上推進プロジェクト事業等を新たに実施することといたしております。
 さらに、総合的な全県基礎学力調査を実施をし、学力の状況に加え、学ぶ意欲や達成感、家庭学習の状況等を調査し、学力との相関を分析いたしますとともに、都市部や農山村部など、地域ごとの基礎学力の状況についても詳細に分析をしてまいりたいと考えております。
 加えまして、専門性を有する学識経験者や各地域の学校関係者等から成ります「基礎学力向上検討委員会」を設置し、これら調査結果を踏まえた指導 方法の工夫・改善方策の検討や、ひょうご学力向上推進プロジェクト事業の成果等について分析を行い、かつ中央教育審議会の動向にも注意をしながら、その結 果をもとに、市町教育委員会とも連携をし、学力向上に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えておりますので、ご支援のほど、よろしくお願いいたしま す。