| 平成16年3月4日 一般質問 |
森脇保仁議員 おはようございます。自由民主党議員団の森脇保仁でございます。 穀物を植えるは1年の計、木を植えるは10年の計、人を育てるは100年の計と言われますが、教育の問題は、今や我々が100年の計をもって取り組むべきものであります。教育問題を中心に、4項目6点にわたって質問をいたします。 まず、第1項目、信頼される学校づくりについてであります。 第1点目は、荒れる学校への対応についてであります。 昨年11月に、宝塚市立高司中学校の中村 諭校長が自殺されました。生徒指導の第一人者で、汗をかきながらエネルギッシュな講演をして回られ、また多くの著作も残されており、その著作は、金八先生のドラマにも取り上げられております。痛恨のきわみであり、哀悼の意を表します。 「教育は、魂をかけた格闘である」と言っていた中村校長が、なぜ死を選ばねばならなかったのか、だれにもわかりませんでした。その後わかってきたことは、校長が死の前に、出口が見えないと絶望していたこと、高司中学校は、宝塚の12の中学校のうち、最も荒れている五つの中学校の一つであったということ、暴力行為に対して、学校が組織的に協力して対応できるような状況になく、校長が孤立していたのではないかと言われております。また2年の3クラスの学級担任が、1人は転任してきた先生、あと2人は臨時教員であり、人事が校長の裁量の及ばない異常な事態であったのではないかという教育関係者もいます。校長のリーダーシップが確立されず、校長は責任のみをとらされて、権限が実態として奪われていたということはなかったのでしょうか。 宝塚の五つの学校は、学級崩壊とも学校崩壊とも言われ、毎日のように起こる問題に多くの先生方が忙殺されております。暴力を振るう1人の子供を13人の先生が取り押さえたとか、別室指導でトランプをしている4人の子供を4人の先生で監視しているなど生徒指導が十分できる状態ではありません。中村校長は、「非行は育つ力でもあります。その力を育てるためには、愛情に裏打ちされた実践的な援護活動、つまり、少年の人格を愛しながらの開発訓練が大切です。少年の問題行動と人格をはっきり区別して考えないと、角を矯めて牛を殺すことになります」と講演でおっしゃっておられました。暴力行為を抑え込むのにきゅうきゅうとして、愛情を持って少年を更生させるための生徒指導ができていないのが今日の学校現場ではないでしょうか。本来学校は、楽しく学習するべきところですが、その安全が確保されない。先生方も傷害を受け、安全を確保されない。また多くの方から、悪くなっても絶対よくはなっていないとも聞きました。地域の方々の支援を求めることなく、学校を立て直せないままでいる市教委の責任は余りにも重いのであります。 では兵庫県ではどうか。公立中学校の生徒1,000人当たりの暴力行為の発生件数は、全国平均では平成12年度の8.2件から14年度では 7.3件へと11%減少しているのに比べ、本県では、逆に8.9件から9.4件へと6%増加しております。ちなみに、生徒1,000人当たりのいじめの発生件数を見ましても、全国平均では、5.1件から4件と22%減少しておりますが、本県では、5.4件から5.6件と全国平均よりかなり高い水準で推移している状況であります。県教育委員会におかれては、兵庫の教育現場の荒廃が改善されず、公教育への信頼が揺らぎかねない状況であることを厳しく受けとめるべきであります。県教委が任命した教員が暴力を受けたり、生徒の安全が脅かされており、看過できる状態ではないのであります。 また学校教育法では、他の児童や職員に傷害、心身の苦痛を与える行為を繰り返し行い、他の児童の教育に妨げがある場合は、市町教育委員会はその保護者に対して出席停止を命じることができると規定されております。兵庫県では、12年度に出席停止が1度しか実施されておりませんが、深刻な場合は、教員、生徒の安全確保の手段として、また、まじめに勉強している生徒の教育を受ける権利があることや、問題行動を起こしている生徒も生徒としての責任と義務があることを自覚させる生徒指導の手段として、学校が出席停止を実施するようこれまで以上に市町教委を指導されてもよいのではないかと考えます。 そこで、県教育委員会は、校内暴力やいじめなど問題行動の防止について、今後どのように対応しようとされているのか、出席停止措置に関する市町教委への指導も含め、教育長のご所見をお伺いいたします。 質問の第2点は、指導力不足教員の認定及び研修制度についてであります。 平成14年1月に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行され、教員は、その職務を通じて児童生徒の人格形成に重大な影響を与えることができるものであり、指導が不適切な教員について、教員以外の職に異動させることができるようになりました。指導が不適切な例として、次のようにあります。教える内容に誤りが多かったり、児童生徒の質問に正確に答えることができない、ほとんど授業内容を板書するだけで児童生徒の質問を受けつけない、児童生徒の意見を全く聞かず対話もないなど、児童生徒とのコミュニケーションをとろうとしないなどであります。そんな担任に当たったら学校に行きたくなくなっても当然であります。児童生徒は、先生を選ぶことはできないのであります。 このような中、本県においては、「指導力向上を要する教員にかかるフォローアップシステム検討委員会」が報告をまとめられたところであります。報告では、まず、学校において問題事象を的確に把握し、学校の管理職が市郡町組合教育委員会と連携して指導支援を行うとともに、それでも改善が見られない場合は、県教育事務所、さらには県教育委員会へ報告を行い、その間も必要な支援を行うとされております。こうしたことから最も重要なことは、第1段階で指導力向上を要する教員を的確に見きわめ、公平公正かつ客観的に対応を判断するという学校管理職のリーダーシップにあると考えております。また児童生徒の教育を受ける権利を保障するために、問題事象を把握した時点で、指導力不足教員を児童生徒から遠ざけるとともに、該当教員に対しては研修等を行って指導力の向上を図り、学校教育に対する家庭や地域社会からの信頼を回復することも必要であります。 今後、本県教育委員会では、フォローアップシステムに係る要綱を制定し、早期実施に向けて取り組むこととされておりますが、どのような方針に基づき、どのような取り組みを展開しようとされるのかお伺いいたします。 次に、質問の第3点、組合教育研究集会への教員の参加に係る職務専念義務免除の取り扱いについてであります。 信頼される学校づくりを進めるためには、学校が変わらなければなりませんが、教育委員会もまた変わらなければなりません。兵庫県では、勤務時間中の組合活動の不適正な慣行として、教育研究集会に多くの教員が職務専念義務免除扱いで参加していたことから、かねてより文部科学省から、給与を受けながら職員団体の業務または活動を行うことを禁じた地方公務員法第55条の2第6項の趣旨にかんがみ不適切と改善指導を受けてきたのであります。それにもかかわらず兵庫県教委は、文部科学省の指導に反し、なおも分科会の司会者、発表者、記録者については職専免の承認を是とする一方、一般参加者については承認することを不可とする独自の指導をしてきました。本日産経新聞に大きく報道されたとおりであります。 昨年10月20日、鎌倉市の伊藤玲子市議が職専免で教研集会参加の教員の給与返還を求めた住民訴訟の判決がありました。結果は、給与返還は認められず敗訴でありましたが、校長が勤務扱いとして承認することは違法との実質勝訴の判決でありました。この判決を受けて、去る11月17日の文教常任委員会で私は、職専免の承認を認める県教委の指導内容についてただしたところ、「教育研究集会における服務のあり方については、現在文部科学省と協議をしている」と教職員課長は繰り返し答弁をされました。しかし、文部科学省は、従来より明快に不適切と指導しているのに、協議中との答弁は正しいとは言えないことを指摘しておきます。 そこでお尋ねしますが、組合教研集会への職専免承認参加に対し教育長は、12月22日の委員会で「横浜地裁の判決があったことにより、県教育委員会として、判決の趣旨を踏まえ、今後の扱いを検討したい」と答弁されましたが、検討の結果、どのように扱うこととしたのか、もし、今後、職専免承認をやめるのであれば、県議会での表明だけではなく、明確に各校長が理解できるよう通知を流すべきであると考えますが、その予定はあるのでしょうか。 以上につき明快な答弁を求めます。 次に、第2項目、道徳教育の推進について質問いたします。 道徳教育は、知育・徳育・体育と言われるように、教育において重要な分野であり、知識を扱う人格にかかわる意味において、教科よりも重要と思われます。しかしながら、公立中学校において、文部科学省の学習指導要領に準拠したバランスのとれた道徳教育がされていなかったり、道徳の授業時数が不足している実態があります。例えば、宝塚では、平成13年度の道徳の年間指導計画を小中学校36校すべて調べたところ、人権教育、平和教育、障害者問題、男女共生教育といったぐあいに計画が立てられ、中学校で23項目、小学校高学年で22項目、中学年18項目、低学年15項目と学習指導要領に定められた項目を年間35時間に割り振る立て方はほとんどの学校でされておらず、したがって、年間指導計画の項目が書かれていないか、書かれてあっても、申しわけ程度につまみ食いで項目が記入されていた程度でありました。昨年も光が丘中学校で、年間35時間のうち、14時間も使って沖縄の平和学習を平和・国際教育研究会編の「沖縄修学旅行ハンドブック」という偏向教材で行われていたり、またその他の時間もトライやる・ウィークの礼状を書くなど道徳と言える教育は全くされていない実態が報道されました。また文部科学省が平成14年度に、極めてすぐれた道徳の補助教材「心のノート」を全国の小中学生に配付しようとしたところ、全国の多くの学校で子供に配付されなかった実態があり、国会、兵庫県議会、宝塚市議会で指摘され、是正されたところであります。 さて、知育・徳育・体育の徳育の欠如が、今日の親の子殺し、少年による凶悪犯罪、教育現場の荒廃を招いているのではないでしょうか。元兵庫県議会議員で衆議院議員となられた大前繁雄代議士は、講演で徳育の欠如について次のように鋭く指摘されています。「近年の道徳を欠いた若者の大量出現は、こういった戦後の徳育欠如の偏向教育の積み重ねが、戦後半世紀を過ぎて次第に顕在化してきたものであり、必然の結果と言えるのではないでしょうか。徳育の裏づけなき戦後の人権教育は、犯罪やいじめの加害者を野放しにする過保護教育に陥り、個の尊重を強調する個人主義の理念は、極端な滅公奉私的利己主義に変質して、今や学校では、公のシンボルである国旗や国歌まで無視されるに至っているのです」と、このように述べておられます。県教育委員会において、小中学校で学習指導要領に準拠した道徳教育がなされているのかを的確に把握し、各学校を指導監督できていない地教委に対しては、適切に指導されることを強く望んでおります。 このたび本県では、道徳の時間を充実させ、道徳教育を推進させるため、道徳教育アクションプランを実施されようとしていますが、これまでの道徳教育の反省に立つものであれば、大いに評価するにやぶさかではありません。 そこで、県教育委員会は、小中学校における今日までの道徳教育の推進について、どのように評価されているのか、またこれからの道徳教育について、どのような基本的考え方のもとに実施しようとされるのかお伺いいたします。 次に、第3項目、第二名神高速道路の整備促進についてであります。 道路は、経済や社会活動を支える最も基本的な社会基盤であり、豊かで活力ある国土の発展のために計画的かつ重点的に整備をしていくべきであると考えます。その中でも、本県の東西内陸軸であります第二名神高速道路は、既に大きな社会的損失となっている中国自動車道の宝塚インターチェンジ付近の慢性渋滞と、それに伴う一般道の渋滞を解消することが期待されております。また関西圏における経済活動にとって大きな役割を担うとともに、災害時の代替機能を強化する役割も担っている重要な道路であり、関西圏の地盤沈下や東南海・南海地震の発生の可能性が指摘されている現在、多くの県民が完成を待ち望んでおられるのではないでしょうか。 このような中、宝塚市域では、平成13年度から地元設計協議も開始され、いよいよ第二名神高速道路の建設が現実のものとして実感されるようになってきたやさき、道路公団民営化議論が巻き起こり、公団の債務を圧縮するため事業費の大きい第二東名、第二名神建設凍結までささやかれる大変心配な状況がありました。しかしながら、昨年12月の政府・与党申し合わせにおいて、道路関係四公団民営化の基本的枠組みが示され、その後に開催された第1回国幹会議では、第二名神高速道路箕面市−神戸市間における供用開始までの工事に要する費用の概算額は約6,330億円から約4,660億円へと縮減されたものの、有料道路事業のまま継続整備する道路となり、事業推進に向けて1歩前進したものと思っております。 一方、有料道路の対象事業費が当初計画20兆円に対して、今後さらに約2.5兆円の縮減を行い、最大で10.5兆円に縮減されることが決定され、さらなるコスト縮減のために計画が大幅に見直されることになれば、地域住民にとって不安があるところです。また第二名神高速道路には、山陽自動車道、中国自動車道と接続する神戸ジャンクションから川西インターチェンジの間にはインターチェンジは計画されてはいませんが、将来の宝塚市北部地域の発展のためには、インターチェンジを追加することがぜひとも必要であると考えます。 第二名神高速道路が昭和62年に予定路線に組み込まれて以来、少しでも早い完成を念願しておりますが、第二名神高速道路及び宝塚北部の追加インターチェンジの整備見通しと、県の対応についてお伺いいたします。 最後に第4項目、宝塚新都市の整備について、第二名神高速道路の事業に関連してお尋ねいたします。 宝塚新都市は、自然との共生の中で、ゆとりある人間生活を営むことができるまちづくりをめざして、住・職・遊が複合する都市として構想され、平成4年度には、宝塚新都市開発基本計画が策定されておりました。私ども初め宝塚市民は、計画の着実な推進を大いに期待しておりましたが、その後の社会経済情勢の変化や、阪神・淡路大震災による県財政への影響もあり、平成9年2月には、第二名神高速道路の整備計画の進捗状況等を踏まえて、新都市計画の進度調整が決定されております。 こうした中、平成12年度に開催された宝塚新都市計画見直し委員会において、新都市の整備計画の方向性としては、経済的な豊かさよりも、心の豊かさへの意識変化、中でも、自然環境への関心の高まりや自然とのふれあい等を求める人々の増加を見通し、多自然居住地域での循環型社会にふさわしい新しいライフスタイルを提示する地域づくりが示されております。 第二名神高速道路高槻市−神戸市間が有料道路事業のまま継続整備する方向が示されたことを考えますと、玉瀬第3クラスターについて新都市計画の具体化に向けて作業を加速する時期に来ているのではないかと考えます。 そこで、玉瀬第3クラスターの整備に関して、今後どのような考え方のもとに取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 以上が私の質問でございます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 知事(井戸敏三) 森脇保仁議員のご質問にお答えをいたします。 私からは、第二名神高速道路の整備促進等についてお答えいたします。 県内の第二名神高速道路につきましては、昨年12月の国土開発幹線自動車道建設会議におきまして、道路規格はこれまでと同じ6車線、設計速度120キロと基本的な計画は変更されておりません。事業凍結や抜本的見直しはされなかったわけであります。県や地元が要望していたとおり、引き続き有料道路方式で整備されることとなりました。しかし、事業費につきましては、今回の整備計画変更で神戸−箕面間の事業費が約1,700億円削減されるとともに、さらなる削減が求められております。 これを受け、現在、道路公団では、事業費を削減するための具体的な計画見直しを行っているところです。県としては、公団に対しできるだけ早く変更案を作成し、地元説明を行い、事業を促進できるよう働きかけておりまして、今後も公団に対して強く要請をしてまいります。 宝塚北部でのインターチェンジの追加は、地域の発展や新都市計画を構想していく上で必要不可欠であります。来年度より、サービスエリアやパーキングエリアにETCのゲートを設置するだけで通行できる簡易なインターチェンジ等の導入も検討されております。インターチェンジの設置についても多様な手法が整いつつあります。このような手法の活用も含めて、インターチェンジが設置できるよう国、公団への提案要望活動を行うなど着実に取り組みたい、このように考えます。 次に、宝塚新都市の整備についてですが、第二名神高速道路の進捗などを踏まえて行う必要があります。したがって、事業化については、かなりの期間を要すると見込まれることから、本格的な事業着手が見込まれるまでの間、県有地化するとともに、暫定的に里山林としての活用などに取り組んでいくことを検討しています。 なお、ご質問の玉瀬第3クラスターの整備については、公営企業管理者から答弁させていただきます。 以上、私からの答弁とします。 公営企業管理者(足立昭) 私から、宝塚新都市の玉瀬第3クラスターの整備についてお答え申し上げます。 宝塚北部地域は、大都市近郊の中で豊かな自然環境に恵まれました数少ない地域でありますので、民間による乱開発を防止するとともに、第二名神高速道路を活用して、一定の土地需要が見込めます玉瀬第3クラスターにつきまして、ここにつきましては、自然と共生する土地利用を基本として整備をしていく必要があると、このように考えております。 こうした地域特性、または立地特性を踏まえまして、一つには、多自然居住地域におけます新しいライフスタイルの創造、二つには、阪神間における都市機能の再配置、三つには、高速道路を活用した交流・物流拠点の形成、こうした観点から、ただいまのところ土地利用の検討を行っております。 一方、玉瀬第3クラスターの事業化に当たりましては、南部市街地との連絡道路、またJR武田尾駅へのアクセス整備、こうした整備に膨大な事業費を要しますことから、その事業採算性の面からも慎重に検討していく必要がある、このように考えております。 いずれにいたしましても、宝塚新都市計画の推進につきましては、第二名神高速道路のインターチェンジの整備、また土地需要の見通し等、こうしたことなどを踏まえまして、宝塚市や地元自治会と十分協議をしながら、ただいま申し上げましたような方向で取り組んでまいりたい、このように考えております。ご指導よろしくお願い申し上げたいと思います。 教育長(武田政義) 私から、教育関係4点についてご答弁申し上げます。 まず、信頼される学校づくりについてのうち、1番目の荒れる学校への対応についてであります。 児童生徒の暴力行為やいじめ等の問題行動に対しましては、学校、家庭、地域が連携を密にし、早期発見・解決に向けて全教職員が共通理解のもと、その対応に当たることが重要であると考えているところであります。 また、問題行動の多様化、深刻化している学校に対しましては、生徒指導担当教員を加配するなど校内生徒指導体制づくりを支援しているところでありますが、対教師暴力を繰り返す学校だけでは対応できない困難な事例に対しましては、学校サポートチームを派遣いたしますほか、警察等の関係機関と連携をして、問題行動等の解決に向けた地域ネットワークづくりにも取り組んでいるところであります。 暴力行為やいじめに対しては、市町教委は、その対応をあいまいにせず、他の生徒の学習の妨げとなる深刻な問題行動に対しては、出席停止の適用も含めた毅然とした態度で臨むことが重要であることは言うまでもありません。またその適用に際しては、出席停止となる児童生徒への支援が課題となりますことから、来年度、児童生徒の自立支援システム推進事業を実施し、出席停止児童生徒の立ち直りや学校復帰に向けた支援策を検討することといたしておりまして、その成果もあわせて出席停止措置の効果的な活用について、市町教育委員会を指導してまいる所存でございます。 次に、指導力不足教員の認定と研修制度についてであります。 県教育委員会におきましては、指導等が著しく不適切な教員を指導力向上を要する教員と定義をし、これら教員に対しましては、研修・支援を重ねることにより職場復帰ができるよう可能な限り支援を行うことを第一義とし、そうした支援にもかかわらず、なお回復できない場合には、厳正な対応も必要との方針のもとに対応システムを構築したところであります。 このシステムは、学校長や市町教育委員会等による該当教員の状況把握、報告等に基づき、県教育委員会が第三者機関として設置をいたします判定委員会へ諮問をし、その審議結果を受け、校外研修の実施や研修後の処遇を決定していこうとするものであります。 校外研修が必要と判定された教員には、原則1年間の長期研修を命じ、県立教育研修所において教員個々の課題に応じたプログラムに基づく研修を実施することとし、その上で、研修の成果等を評価し、指導力になお改善が見られない場合には、職種変更や分限免職等を決定することといたしております。現在、判定委員会の委員の人選や、県立学校長及び市町教育委員会を対象に説明会を実施すべく、システムの早期実施に向け取り組みを進めているところであります。 次に、組合教育研究集会参加に係る職務専念義務を免除することについてであります。 本県におきましては、教員の教育研究集会への参加に係る服務上の取り扱いにつきましては、原則年次有給休暇によることとしているところでございますが、教研集会は、職員団体活動と教員の研修という二面性を有しており、教育公務員特例法第20条に基づく職専免研修を認めるか否かは学校長の裁量権の範囲の問題であるとした札幌高等裁判所の判例に則しまして、特に研修性が高い場合についてのみ学校長の判断により職務に専念する義務の免除を承認できるとの見解を示してきたところでございます。 その結果として、教研集会への職専免研修での参加者は、昨年、一昨年とも全参加者の2%にも満たないものであったとの報告を市町教育委員会から受けているところであります。しかしながら、昨年10月横浜地方裁判所が教研修会に職専免を承認することは、その内容のいかんを問わず学校長の裁量権の乱用であり、違法であるとの判断を示し、地方裁判所判決とはいえ、この裁判が確定いたしましたことから、事実上、服務監督権者である学校長が従来の取り扱いを継続させることは困難な状況になったものと受けとめているところであります。このため、県教育委員会といたしましては、市町教育委員会や学校現場等で混乱を生じさせないため、今後適切な対応方法について鋭意検討を進めているところであります。 次に、道徳教育の推進についてであります。 道徳教育は、定められた指導項目について、各教科や特別活動及び総合的な学習の時間等それぞれの特質に応じて学校の教育活動全体を通じて児童生徒の道徳性を養うことを目標として行うものでありますが、そのかなめとなります道徳の時間の指導には、決められた教科書がなく、市町教委や指導に当たる教員の創意工夫にゆだねられているところであります。 そこで、来年度から道徳教育推進アクションプランを推進し、道徳の時間の重要性の理解と指導力の向上を図る教員研修を実施いたしますとともに、先進的に道徳教育を研究する指定校を各地域に設けますほか、さらに、各地域ゆかりの人の教材化を図るための指導資料を作成したり、学校、家庭、地域社会が相互に連携し、道徳的実践力を高めますためのフォーラムを開催するなど重層的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。一方、議員ご指摘の一部の地域における道徳教育の時間数の不足など改善を要する面が見受けられましたことから、当該教育委員会に対し強く是正を求め、その結果、ほぼ改善が図られたところでございますが、今後とも道徳教育がより適切に行われますよう引き続き指導に努めてまいる所存でございますので、ご理解を賜りたいと思います。 森脇保仁議員 1点だけ申し上げます。 職専免の取り扱いについて、横浜地裁で違法という判断がされておるわけでございますが、既にもう4ヵ月ほどたっておるわけでございますが、その適切な方法を検討すると、通知についてのことだと思いますけれども、県教委と、あるいは教育長はですね、なぜみずからの主体性でもって意思を表明されないのか、違法なことはやめるという意思を表明されないのか非常に残念でございます。再答弁していただきたいと思います。 教育長(武田政義) 先ほど申し上げましたように、長い間私たちの取り組みの原点になりました判例は、札幌高等裁判所の判例でございまして、この教研集会の参加が研修として認められるかどうかというものにつきましては、学校長の判断で承認ができるという見解がその判例の中で示されたわけであります。したがいまして、学校長において判断をすべく、そして、それも研究性が高い場合にのみ認めることができるということで取り扱いをしてまいりました。 このたびの横浜地裁の判決は、そうではなしに、学校長の裁量権の乱用であると、こういうふうな判決が出ましたので、学校長としては、もう判断することがこの判決によればできないというふうな判決でございますから、事実上、服務監督権者である学校長が従来の取り扱いを継続することは困難な状況になったというこのことを、私といたしましてはそういう事実をきっちりと受けとめているというふうに申し上げたところでありまして、これについては、私の責任で今後の適切な対応について検討を進めたいということで、今検討を続けているところであります。 |